Research Abstract |
実験材料として、6週齢の雄性Wistar系ラット10匹を用いた。左右顎関節を実験側あるいは対照側に分け実験側にはrat IGF-Iを挿入したpcDNA3.1ベクターを、対照側にはpcDNA3.1ベクターを遺伝子導入した。遺伝子導入にはHVJ遺伝子導入キットを用いた。実験を開始するに際し、pcDNA3.1-IGF-Iベクターを作製した。ベクターは局所麻酔下にてラット顎関節腔周囲に注入した。0day,3day,6day,9day,12day,15day,18dayに50ug/ul注入し21dayに屠殺した。下顎骨を摘出し、4%パラフォルムアルデヒドにて24時間固定し、PBSにて洗浄を行った。 評価法として,規格化された軟X線写真を撮影し下顎骨各部の大きさを測定した.具体的には、オトガイ孔(MeF)、下顎孔最下方点(MaF)、下顎頭最後上方点(Cd)、筋突起先端(Cr)、下顎角先端(Go)、下顎骨前縁(Id)、前下顎角切痕(aGo)、Cdを下顎下縁平面に投影した点(MP)の計8つの基準点を軟X線写真上に設定し、各基準点間の距離を計測した。計測には画像解析ソフトWin Ceph (Ver.8.0)を用いた。実験側と対照側の下顎骨左右の値の平均値を算出し計測値とした。両群間の平均値の差の検定にはPared t-testを使用した。 結果は、実験群のMeF-MaF, MeF-Cd, MeF-Cr, MeF-Go, MeF-Id, MaF-Cd, MaF-Cr, MaF-Cr, MaF-Go, MaF-Id, Cd-Id, Cd-aGo, Cd-Mp各計測項目の平均値はそれぞれ、13.02,18.80,15.84,17.60,5.28,6.02,5.74,6.40,17.60,23.04,12.42,9.44であった。また、対照群のMeF-MaF, MeF-Cd, MeF-Cr, MeF-Go, MeF-Id, MaF-Cd, MaF-Cr, MaF-Cr, MaF-Go, MaF-Id, Cd-Id, Cd-aGo, Cd-Mp各計測項目の平均値はそれぞれ、13.16,18.76,15.56,17.68,5.24,5.94,5.70,6.48,17,68,22.92,12,38,9.68であった。どの計測項目においても群間の有意差は認められなかった。
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