咀嚼運動の顎顔面疼痛伝達およびセロトニン神経系への影響
Project/Area Number |
17791531
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthodontic/Pediatric dentistry
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
芝崎 龍典 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70399757)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 顎運動 / 疼痛 / 鎮痛 / セロトニン / 三叉神経脊髄路核 / 三叉神経節 |
Research Abstract |
顎運動および咀嚼機能の低下は脳内の記憶などの機能への影響のみならず、鎮痛制御機能にも影響を及ぼすことが、明らかになってきており、歯科矯正臨床において咬合の再構築する意義として大変重要である。すでに、本研究により、8週齢のラットを用いて、顎運動の低下は疼痛感覚の軽減を阻害する可能性について論文発表を行った。このことから、咀嚼運動の低下は、セロトニン神経糸からのセロトニンの分泌低下が推察される。そこで、次の段階として、実際の疼痛発現させた時、鎮痛制御機構で重要な役割を果たす脳内のセロトニン神経系より分泌するセロトニンを一過性に増大させ、その影響を調べることとした。そこで、疼痛を発現後、どのタイミングでセロトニン神経系の活性が見られるか、.同じく8週齢のラットを用いてc-Fosとセロトニンの免疫組織化学的に検索をまず行った。その結果、中脳の背側縫線核や中心灰白質では、疼痛発現4時間後にセロトニン神経系の活性が見られた。この結果を元に、選択性セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の投与を行い、シナプス間隙のセロトニンを一過性に増大させた後、顎顔面の疼痛を誘導し、8週齢のラットを用いて行動学的に検索することとした。その結果、SSRIを疼痛処置前に投与したラットでは、ラットの手足による顔面のGroomingの増加を抑制した。また、この抑制は疼痛処置から48時間までの実験期間すべてに効果が認められた。このことから、セロトニンが一過性にシナプスで増加する状態により、疼痛に対する持続的な鎮痛作用が得られることが示唆された。以上のことから、咀嚼機能の低下は顎顔面疼痛を増悪させることや、咬合を再構築し、咀嚼機能を向上させることは、セロトニンの分泌の低下を防ぎ、顎顔面疼痛を軽減させる可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)