Budget Amount *help |
¥3,054,875 (Direct Cost: ¥3,054,875)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,054,875 (Direct Cost: ¥1,054,875)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
【目的】 幽門側胃切除術を受けた患者の消化器愁訴と残胃内容積の変化および心理的側面との関連を明らかにすることを目的とした. 【方法】 S大学医学部附属病院一般・消化器外科病棟で胃切除術を受ける予定の20歳以上の胃がん患者を対象に調査依頼を行い,同意が得られた者に対し,手術前と手術後全粥摂取日に,試験食摂取前後の採血と自記式質問紙調査を行った.消化器愁訴については,日本語版EORTC QLQ-C30および日本語版EORTC QLQ-STO22を用いて評価した.残胃内容積の変化は,胃排出能測定法として一般化されているアセトアミノフェン法を用いて測定した.心理的側面については,HAD尺度,一般性セルフ・エフィカシー尺度を用いて評価した.なお,本研究はS大学倫理審査委員会の承認を受けて実施した. 【結果および考察】 分析対象者は男性12名,女性12名の合計24名で,平均年齢は68.4歳だった.全粥食の1日平均食事摂取エネルギー量は1028.4±297.5kcalであり,厚生労働省が策定した日本人の食事摂取基準の基礎代謝量を満たしていないことが明らかとなった.手術後の消化器愁訴は,食欲低下が最も多く出現し,次いで食事の制約,腹部痛,便秘,口腔内乾燥の順であった.手術前後を比較したところ,食欲低下,食事の制約,腹部痛,便秘,味覚変化,嚥下困難が手術後に有意に多く出現した.逆流症状が出現する患者ほど胃排出能の亢進の程度が弱かった.食欲低下,嚥下困難,腹部痛,逆流症状,食事の制約,口腔内乾燥の消化器愁訴が出現する患者ほど,不安が強かった.食欲低下,下痢の消化器愁訴が出現する患者ほど,自己効力感が低かった.消化器愁訴と抑うつに有意な相関はなかった.幽門側胃切除術を受けた患者に必要な看護は,手術後の消化機能の回復に応じた食生活を確立することに加え,不安の綬和と自己効力感を高めるための支援であることが示唆された.
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