Project/Area Number |
17791636
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Clinical nursing
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
河内 俊二 静岡県立大学, 看護学部, 助手 (50381736)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 行動制限 / 隔離 / 身体拘束 / 精神科看護 |
Research Abstract |
【目的】本調査は面接調査手法を用いた1次調査の結果から質問紙を作製し、一般的な判断の実態を明らかにするためのデータを得ること、さらに判断に関連する要因について検討することを目的としている。 【研究方法】調査は郵送質問紙調査法を用いた。対象者は隔離または拘束を行っている病棟の看護管理者とした。質問紙は看護部門代表者宛に輸送し、回収は個別郵送とした。対象施設の選定には2段無作為抽出法を用いた。調査票の回収期間は、2006/9/1-9/31までの1ヶ月間であった。質問紙の内容は、対象者自身の属性、所属する施設、病棟に関する設問と共に、1次調査の結果から得られた隔離拘束において看護師にも判断が必要とされる可能性のある状況において、実際に行っている最も多いと思われる判断方法を選択する設問とした。また、それぞれの状況において判断に影響すると推測される要因に関する質問を設けた。得られたデータは単純集計を行い、判断に関連する要因について検討するために、病棟機能、医師数、看護師配置、隔離拘束患者数、平均隔離拘束日数でクロス集計を行った。また、病棟機能による行動制限の特徴を捉えるために病棟機能を隔離拘束実施状況についてクロス集計を行った。名義尺度間の差の検定にはχ2検定を用いた。 【結果と考察】精神科単科病院(179施設)には各3部、総合病院の精神科病棟(21施設)には1部とし200施設558部を郵送し、回収数は223部(回収率40%)であった。1.生活上の配慮のための一時的中断については、主に看護師が判断している場合が過半数を超えていた生活上の目的や前室の設備の違い、病棟機能の違いが判断主体に影響していることが確認された。特に前室設備の充実により看護師が柔軟に判断し生活上の配慮を考える可能性が示唆された。2.開放観察の実施に伴う判断についも、主に看護師が判断している場合が過半数を超えていた。開放観察指示内容の包括性の程度、開放観察中の休養の仕方の違い、指定医数、平均拘束日数が判断主体と関連していることが確認された。3.危険回避のための行動制限の判断については、電話による医師の口頭指示を含め、80%近くが主に看護師の判断となっていた。このようなケースへの対応についてはその適切性の客観的評価が課題である。緊急放送システムと暴力防止トレーニングの導入が看護師の判断の必要性を減少させる可能性がある。4.身体的・事故防止を目的とする固定(拘束)については、通常の拘束と同じく指定医の判断、もしくは固定とみなす場合でも医師の判断としている施設が過半数であった。これらを目的とする拘束における拘束帯以外の拘束具の使用判断の具体的運用について検討される必要がある。指定医数が判断主体と関連していることが確認された。5.身体拘束部位の選択/増減の判断については、主に看護師が判断するとの回答が36%存在し、拘束患者数の増加や拘束期間の長期化により看護師の判断の割合が増加する傾向にあった。6.本人の意思による隔離室の使用については、80%以上が通常の隔離の手続きと同じ医師の判断としていた。
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