Project/Area Number |
17F17408
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Veterinary medical science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 定彦 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (90206540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
THAPA JEEWAN 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 結核菌群菌 / LAMP法 / M. tuberculosis complex / disease dynamics / Nepal |
Outline of Annual Research Achievements |
受け入れ研究者は、以前の研究により、結核菌群菌(Mycobacterium tuberculosis complex: MTC)の16SリボゾームRNA遺伝子を標的としたLAMP法による結核診断法の構築に成功している。そこで、外国人特別研究員Thapa Jeewan博士と共同で、様々な色素を用いて当該LAMP法による結核菌DNAの検出試験を実施し、安価で高感度に目視によるLAMP反応の検出が可能な化合物を検索した。更に、本法に用いる試薬を反応チューブの蓋上に乾燥固着する事も試みた。 家畜、並びに野生動物における結核の診断およびサーベイランスには、非侵襲性サンプル(糞便、ゾウの鼻腔洗浄液、その他)が重要であり、その処理法の確立が必要と考えられている。このことから、受け入れ研究者は、Thapa外国人特別研究員と共同で、非侵襲性サンプル処理法を考案し、その実施可能性について検討した。 Chitwan国立公の獣医学部門においては、死因特定のための野生動物斃死体の検死を実施している。受け入れ研究者、並びにThapa外国人特別研究員は、Chitwan国立公の獣医学部門と共に動物における結核に関する密接な共同研究を実施してきている。受け入れ研究者、並びにThapa外国人特別研究員は、ネパールのカウンターパート機関であるネパール結核予防会下のGerman Nepal Tuberculosis Project(NTA-GENETUP)と共同して、培養による菌株分離、遺伝子型別等を駆使して原因究明を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
受け入れ研究者は、Thapa外国人特別研究員と共同で、様々な色素を用いて結核菌検出用LAMP法による試験を実施し、メチルグリーンを用いた場合に、高感度な目視によるLAMP反応の検出が可能であることを見出した。更に、本法に用いる試薬を反応チューブの蓋上に乾燥固着する事にも成功した。これにより、結核遺伝子診断キットの室温下での長期保存ができ、冷凍・冷蔵設備の完備していない国と地域においても簡便に実施可能となった。今回見出したメチルグリーンは単価が非常に安く、1検体あたりにかかる色素の費用は1円未満となった。 家畜のウシより採取した糞便にウシ型結核菌をスパイクし、種々の方法で菌の回収を試みた。また、Thapa外国人特別研究員はネパールのChitwan国立公園において、血清診断により結核菌感染が明らかになっているゾウより糞便および鼻腔洗浄液検体、更に、ネパール中央動物園においてツベルクリン反応により結核菌感染が明らかになっている飼育下の野生動物の糞便を対象として非侵襲性サンプルの処理法の有効性について検討した。 Chitwan国立公の獣医学部門との動物における結核に関する密接な共同研究を実施してきている。Parsa国立公園において1頭の象が死亡し、結核が疑われたことから、受け入れ研究者、並びにThapa外国人特別研究員は、検体より得られた菌株が、M. tuberculosisであることが判明した。詳細な遺伝子解析の結果、分離されたM. tuberculosisは、ネパールの結核患者からも近似した遺伝子型を有する菌株が得られていることが判明した。この事から、象は、濃厚接触している者(象使い等)ないしは結核を発症している象から結核感染を受けていることが示唆され、ネパールにおける人獣共通感染症としての結核のリスク要因の一部が明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
当該研究者であるThapa Jeewanが北海道大学保健科学院へ助教として就職したため、本研究は一旦休止する。
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