Outline of Annual Research Achievements |
筆者は, 日本語指導が必要な児童生徒の増加への対応として, Webベースで当該児童生徒への指導支援を可能にする「教案便サイト日本語指導エリア(以下, 教案便サイトと記す.)」を構築した. その上で, 本サイトの利活用状況をgoogle analyticsで分析したところ, 日本をはじめ10か国以上で継続的利用が確認できた. また, 日本語指導担当教員が求める「特別の教育課程」等への利用もみられた. 本サイトを, 筆者が勤務する市内の日本語指導担当教員に紹介した際にも, 指導に関する高い興味関心がうかがえ, このテーマでのニーズの高さが示唆された. そこで, 本研究では, 当該児童生徒の指導方法に悩む教員のために, 教案便サイトを用いた日本語指導法を紹介するページを制作して, 活用状況の分析から指導教材に対するニーズの動向や指導法そのものの検討を行った. 平成30年2月から1か月間の分析では, 日本国内での新規ユーザは6名にとどまったものの, 56.52%の直帰率は, 指導法紹介へのニーズの可能性を予感させるものであった. そこで, 筆者の勤務校に在籍する日本語指導担当教員2名(教諭経験30年以上)および日本語指導対象児童5名(小学校3年)へのインタビューを通して, 指導法紹介の可能性について検討をすすめた. 対象児童のうちDLAレベル4程度の児童3名に対する「教案便サイト案内版レベル3の学習のしかた」視聴後のコンテンツ内容の聞き取りでは、「内容を説明すること」が理解できており, 「レベル3学習」時の作文作成に対して非常に意欲的であった. 日本語指導担当教員へのインタビューでは, 繰り返し視聴によって「DLA日本語語彙テストのしかた」コンテンツが授業者の使用法への理解度を高めることや, 「レベル3の学習のしかた」コンテンツにおける「視写」や「聴写」等の学習法の理解を高める為には, 方法の視覚化をすすめる必要性が示唆された.
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