Project/Area Number |
17H00291
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 貴士 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 技術一般職員
|
Project Period (FY) |
2017
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
|
Budget Amount *help |
¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
Fiscal Year 2017: ¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
|
Keywords | 放射線検出器 / 極低温 / 超伝導吸収体 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 具体的内容 (1) 本研究は、まずKID型超伝導検出器の試作器を製作した。製作方法は、まずSiウェハをベースとしてスパッタリング成膜装置を使用して試料を作った。その後、試料に素子パターンを転写し、最後に現像することによって製作した。Siウェハは、この試作器を超伝導放射線検出器として使用した場合、吸収体として働く。当初は吸収体として純アルミニウムを想定していたが、研磨を考慮すると非常に高額なため、その前段階としてSiウェハを使用した。製作した素子を特注の冶具に組み込み、KID型超伝導検出器の試作器を完成させた。 (2) ソープションポンプ式3He冷凍機によって作り出した温度0.3(K)の空間に、(1)で製作したKID型超伝導検出器を組み込み測定したところ、素子の共振が見られた。これは、素子製作が成功したことを示している。また、数ミリKというわずかな温度変化で、共振周波数が急激に変化することが確認された。これは、例えば、放射線が吸収体内部で吸収された時の微量の温度変化を検知し得ることを意味する。これらのことから、本研究においてSi基板を吸収体としたKID型超伝導放射線検出器の製作に成功し、その有用性を確認できたと云える。今後、吸収体として純アルミニウムを使用したKID型検出器の製作を予定している。本研究の超伝導検出器は、既存の放射線検出器と分解能を比較するには、まだ種々の実験と検証を要するので、引き続き研究を進めていく。 2. 意義、重要性 本研究の新しい超伝導放射線検出器は、数ミリKというわずかな温度変化を検知し得ることから、これまで測定が困難だった極微量の放射線物質の測定可能性を持つことが本研究によって示された。除染をはじめとした震災復旧活動や、近年注目を浴びている軽い暗黒物質探索などの宇宙素粒子研究において貢献できる可能性を示せたことは、社会的貢献・科学教育的貢献という点で大きな意義、重要性を持つと考えられる。
|