Outline of Annual Research Achievements |
近年, Time-of-Flight法による距離撮像は, 他の三角測量に基づく方式に比べて装置の小型化や計算コストの面で優位性があり, ジェスチャー認識などを始めとして広まりつつある. その一つとして, 安全性向上のための自動車内でのジェスチャーによる機器制御の開発が進められているが, 屋外使用下では太陽光などの外乱光の影響により分解能が劣化し, 実用化を阻む大きな障害となっていた. この障害を打破するために, 短パルス型のTOF撮像素子の開発を進めている. 短パルス型TOF法は一般的な位相検出TOF法(Kinnectなどに用いられる)に比べて, 短時間にエネルギーを集中させるため, 外乱光の影響を受けにくい撮像が実現できる. パルス幅を狭くすることで, 外乱光耐性の向上と更なる高分解能化が見込まれるが, 現状のパルス幅は, LEDの応答で律速されていた. そのため, レーザダイオードによる新たな短パルス光源の開発が必要であった. 現状のパルス幅は, LEDの応答で律速されている. そのため, LDによる新たな短パルス光源の開発が必要であった. これまでのLEDではパルス幅13ns程度の応答が限界であったため, LEDではなくLDにおいて5ns程度のパルス幅が実現できる光源を開発した. 実際に, 13nsのLED光源と5nsまでのパルスを発生できるLD光源を使い, TOFイメージセンサで分解能の比較測定を行った. 13nsLED光源では, 対象物まで80cmの場所での分解能が2.6mm程度である. それに比べ, 開発したLD光源では, 5nsのLD光源では, 60cmの距離での分解能が0.9mm, 80cmの距離でも0.11mmとLED光源に比べて大幅に分解能の向上が実現できた.
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