Outline of Annual Research Achievements |
1 研究目的 土などと固化材を混合した土系舗装が, 年々増加傾向にある. 用途としては, 遊歩道・園路, 建造物の周辺整備等があげられる. 上系舗装は, 自然に近い景観性に優れた舗装体を構築することが可能であり, 歩きやすさなどの衝撃吸収, ヒートアイランド現象の緩和に有効であるが, 寒冷地においては凍害による表面劣化が見られ, 景観を重視した場合問題となっている. また資材は, 県内産業の振興を図ることを目的に, 県内産の使用が義務付けられ, 「地産地消」の取り組みが行われている. しかし, 良質な地盤材料が入手困難な場合, やむをえず県外から調達を行っているのが現状である. 東日本大震災以降, 原子力発電所の稼働停止により, 急速な火力発電依存となり, 石炭火力発電が増加している. 石炭火力発電所から排出される石炭灰は, 再生資源として, 有効利用しなければならない. 石炭灰の一種であるクリンカアッシュに着目し, 地盤材料として用い, 寒冷地対応型舗装として検討を行った. 2 研究方法 クリンカアッシュ, 固化材の配合量を定量的に変化させ供試体を作製し, 圧縮試験を行い, 材齢7日で圧縮強さ3000kN/㎡を目安とし, 適量配合を見出す. 舗装厚さ3cmの試験施工により, 以下の試験を行う. 1) ヒートアイランド現象緩和検証(表面温度を測定しアスファルト舗装と比較) 2) 舗装表面劣化診断(3Dスキャナーを用いた舗装表面形状の計測, 山中式土壌硬度計による非破壊試験, 現場透水試験). これらを定期的に計測することにより, 経時変化を考察し, 舗装材の性能評価行う. 3 研究成果 (1) アスファルトの表面温度は, 夜間にも地表面温度は気温よりも高く, クリンカアッシュに比べて昼夜を通して高く, 最高温度の差は13℃あった. (2) 土壌硬度34mm以上, 透水係数×10^<-3>cm/secの範囲内であり, 顕著な表面劣化は見られなかった. 結果より, クリンカアッシュは, 寒冷地対応型舗装の地盤材料として適用可能である.
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