Project/Area Number |
17H00577
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅳ-B
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 諒 東京大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
Fiscal Year 2017: ¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
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Keywords | Antimicrobial Stewardship / 抗菌薬 / AUD |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の背景・目的】 本研究では、抗菌薬使用動向サーベイランスの指標としてAUD(Antimicrobial Use Density)、DOT(Daysof Therapy)に加えて、1日当たりの実際の投与量(ADD : Actual Daily Dose)と1症例あたりの平均投与日数(mDOT : mean Days of Therapy)を利用し、より詳細な抗菌薬使用動向の把握および戦略的な抗菌薬使用量削減計画の立案に繋がるか検証することを目的とした。 【研究方法】 2010年度~2016年度に当院で抗菌薬を使用した全入院患者を対象とし、全抗菌薬の各サーベイランス指標(AUD、DOT、ADD、mDOT)を各診療科別に算出した。算出されたサーベイランス指標を精査し、不適切使用が疑われた抗菌薬について、該当診療科の診療ガイドラインに記載された使用法との整合性をチェックした。ADDやmDOTから判明した不適正使用例をリストアップし、抗菌薬使用削減が可能か検討を行った。 【研究成果】 診療科別に全抗菌薬の使用状況を調査した結果、眼科でのセフカペンピボキシルのAUD、DOTが共に他の診療科より著しく高い傾向にあった。一方、ADDは0.29であり1日の通常量に近い値であったが、mDOTが約3日と短かった。このことから、周術期の予防投与として用いられている可能性が示唆されたため、実際の使用状況を調査した結果、主に白内障手術後の細菌性眼内炎予防目的にセフカペンピボキシルを用いていることが分かった。次に、白内障手術後眼内炎の予防に関するガイドラインを調査したが、日本のガイドラインに記載はなく、海外でも統一した見解が得られていなかった。一般にセフカペンピボキシルは経口吸収率が低いため、血中および眼房水中で細菌に対して有効な濃度が得られないと推測されるが、これまでに報告がない。以上のことを踏まえて、現在白内障手術後細菌性眼内炎予防に用いられるセフカペンピボキシルの眼房水中濃度の前向き観察研究を計画している。本検討結果から、AUDやDOTだけでなくADDやmDOTも抗菌薬使用削減計画立案に有用な指標であることが示唆された。
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