Project/Area Number |
17H00586
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学A
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
林 芳弘 高知大学, 設備サポート戦略室, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥510,000 (Direct Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2017: ¥510,000 (Direct Cost: ¥510,000)
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Keywords | 肝癌細胞 / オートファジー / カテプシンE |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】近年、日本を含めた先進国で脂肪の多い食事などが原因で脂肪肝患者は増加しており、その一部の脂肪肝は、非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis ; NASH)を経て重症化、肝硬変そして肝細胞癌へと進展する症例もあり危惧されている。しかし、NASHの治療法は、食事制限や運動以外の方法はなく、有効な治療法もまだ確立されていない。本研究では、Fbxw7タンパクの欠損脂肪化肝癌細胞を用いて脂肪滴代謝機能の一つであるオートファジー機能に加えてライソソームにも注目し、Fbxw7タンパクがオートファジー・ライソソーム関連タンパクに与える影響やその発現変化について解析し、ヒト脂肪肝、NASH、肝硬変そして肝細胞癌への進展にどのように関与しているのかを検討する。 【研究計画】Fbxw7欠失脂肪化肝癌細胞を樹立し、脂肪滴代謝に関連するmRNAおよびタンパク質をそれぞれReal-time PCR法およびWestern blot法で解析し、脂肪滴など微細構造については透過型電子顕微鏡を用いて詳細に観察する。In vivo studyとして、遺伝子導入肝癌細胞をヌードマウスへ移植し脂肪滴数・増殖能を検討するとともに、マクロリポファジーおよびライソソームタンパクの局在と発現量を光顕・電顕的免疫組織化学法により分析する。臨床病理学的にはNASH症例と肝細胞癌のFbxw7・マクロリポファジー関連タンパクを免疫組織化学法で検出、その発現と肝細胞癌への進展について解析する。 【研究成果】Fbxw7をknock-downすると肝癌細胞の脂肪化が見られた。通常、脂肪滴の沈着により、肝癌細胞は機能が低下するが、オートファジーに関しては逆に活動の活発化を認め、電顕でもマクロリポファジーの増加が観察された。その原因を解明するために網羅的にマイクロアレイ解析を行った結果、ライソソームに関連するcathepsin Eの発現が増加していることを発見した。また、Fbxw7 knockdown肝癌細胞のヌードマウスによる移植では、増殖伸展した肝癌細胞は、脂肪滴の著明な減少が見られ、免疫組織化学的解析でcathepsin Eの発現増強が認められた。これらの結果から、肝細胞の脂肪化と脂肪滴の沈着量には、ユビキチンリガーゼであり癌抑制遺伝子であるFbxw7およびライソソームタンパクであるcathepsin Eが関与していることが示唆され、今後の遺伝子治療薬のターゲットとなる可能性がある。
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