Project/Area Number |
17H00603
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学B
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
齊藤 久美子 生理学研究所, 技術課, 技術職員
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2017: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | ナトリウム依存性グルコース輸送体(SGLT) / α-メチルグルコシド / 糖代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満・糖尿病の発症過程を調べるために各臓器の糖・脂質代謝変化を測定することは、肥満・糖尿病の発症メカニズム、治療法、治療薬の開発に重要である。現在、各臓器及び細胞における糖・脂質代謝速度の測定には、放射性化合物(RI)が用いられている。その利用には、多くの制約がある。そこで、非RI試薬を用いた糖・脂質代謝測定法の開発に取組んでいる。近年、ナトリウムイオン依存性グルコース輸送体(SGLT)活性を阻害すると尿糖として糖が排出され、2型糖尿病を改善することが明らかとなり、腎臓に主に発現するSGLT2の役割が注目されている。一方、消化管におけるグルコース取り込みは、主にSGLT1を介して行われる。消化管におけるSGLT1のグルコース取り込みを非RIで測定することは、多数のSGLT1阻害剤候補化合物のスクリーニングを可能にし、肥満及び糖尿病の治療薬開発につながる。そこで非RI試薬によるマウス消化管SGLTを介したin vivoにおけるグルコース取り込み測定法の確立をめざした。 SGLTのグルコース取込み測定は、α-methylglucoside(AMG)を用い、非RI標識AMGを酵素によりグルコースに変換し、生成したグルコースを定量することで、AMGを定量した(特願2017-093141号)。本年は、本法を用いてマウス消化管におけるAMGの取込みを測定した。AMGを経口よりマウスに投与し、一定時間後に消化管を上部(空腸)、下部(空腸、回腸)に分けて採取し、小腸上皮細胞に取り込まれたAMG量を測定した。採取した組織を十分に洗うことで細胞外グルコース、二糖類を除いた後、腸管上皮細胞を回収した。酵素測定は、測定溶液の適度な希釈とアルカリ熱処理により、内因性グルコースとグルコース6リン酸を除去し、細胞内に取り込まれたAMG量を測定した。AMGの投与量による取り込み量変化、AMG投与後の時間経過による取り込み量変化について検討した。AMGの投与濃度を増加することにより、取り込み量が増加した。投与後20分の取り込みが一番高く、以後消化管におけるAMGの蓄積量が低下した。肥満・糖尿病マウスにおいて取込みの低下が見られた。血液中のAMGを測定したところ、AMGが血液中に移行することを確認した。 今後は、肥満マウスにおける実験数を増やし、消化管粘膜、血液中のAMG濃度変化を調べるとともに、SGLT阻害剤の投与効果を調べたい。
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