Project/Area Number |
17H00612
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学B
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中村 竜也 神戸大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2017: ¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
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Keywords | 質量分析 / カルバペネマーゼ / 腸内細菌科細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)が世界的に問題となっており、抗菌薬治療および感染対策において迅速な検出が重要である。現在、CPEの検出には薬剤感受性試験、PCR法、Modified Hodge Test、CarbaNP、CIM法など様々な方法が存在するが、全て感度・特異度ともに100%示す方法は存在しない。また、迅速性に乏しい方法もある。そこで、MALDI Biotyperの機能の一つであるSTAR-BL Asseyを使用したCPEの検出について検討し、CPE検出ツールの一つとしての有用性を評価した。 【研究方法】PCR法により耐性機序の判明した腸内細菌科細菌で、IMP-6型、IMP-1型、OXA48型、OXA181型、KPC型、VIM型、SMB型、NDM-1型、GES型の9種類の遺伝子型CPEおよびその他ESBLおよびAmpCβラクタマーゼ産生株を用いた。方法は、Ertapenem(ETPM)の原末を0.1μg/mL(原法)および0.02μg/mL(改良法)に調整し、その1mLに1μループで菌を取り、縣濁する。35℃で2時間浸透させた後、13000rpm2分遠心し、上清1μLをターゲットプレートに塗布し、STAR-BL用マトリックスを使用し測定した。 【研究成果】ETPM 0.1μg/mLでは、IMP-6型、IMP-1型、KPC型、VIM型、SMB型、NDM-1型は、ETPMの分解が確認されカルバペネマーゼ産生と同定された。OXA48型は判定が境界ライン上で判定保留となった。OXA181型およびGES型は、陰性と判定された。0.02μg/mLでは、OXA48、OXA181型およびGES型も陽性となり、CPE検出のETPMの最適濃度は0.02μg/mLと考えられた。加えて、CMY-10型セファロスポリナーゼも、陽性と判定され、これは過去にカルバベネム分解性があると報告されており、通常では検出困難な型も検出可能であった。STAR-BLを使用したカルバペネマーゼ産生菌の検出は、日本で多く検出されるIMP型やVIM型の検出に問題はないと考えられた。また、ETPMの濃度を改良することで、感度を向上することができた。カルバペネマーゼの迅速な検出は、薬剤耐性菌対策への貢献と抗菌薬適正使用に寄与できると考えられる。
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