Project/Area Number |
17H00629
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学A
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
益田 将吾 鹿児島大学, 病院, 薬剤師
|
Project Period (FY) |
2017
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
|
Budget Amount *help |
¥560,000 (Direct Cost: ¥560,000)
Fiscal Year 2017: ¥560,000 (Direct Cost: ¥560,000)
|
Keywords | Caspr4 / 脊髄小脳変性症 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
脊髄小脳変性症(SCD)は、小脳や脊髄の神経核や伝導路に病変を持ち、小脳の神経細胞の脱落が起こり、進行性の運動失調を特徴とする神経変性疾患であり、神経難病として特定疾患に指定されている。SCDの根治治療はいまだなく、症状に対する対症療法がおこなわれているのが現状である。我々は、神経接着分子群であるCaspr(Contactin associated protein)分子群のひとつであるCaspr4が神経分化誘導に関わることを明らかにしてきており(Stem Cell Dev. 2015)、この知見からCaspr4が神経変性疾患の発症機序に関連し、Caspr4シグナルを介した治療法の開発を推進する上で、可能性の高い分子であることを考えた。また、近年、がんの診断において開発が進められているエクソソームと神経変性疾患との関連性についても報告されていることから、神経細胞から分泌されるエクソソームとCaspr4の関連性について調べることを目的とした。 エクソソームの実験に着手する前に、Caspr4を過剰発現させたP19C6細胞(マウス胚性腫瘍由来で神経系への分化誘導が可能な細胞株)からトータルRNAを抽出し、マイクロアレイ解析により遺伝子発現の変化を網羅的に調べた。約450遺伝子について有意な発現変動が認められたが、その中でSCDとの関連が示唆されている遺伝子はGeneX1、GeneX2、GeneX3の3遺伝子であった。次に、P19C6細胞の培地からエクソソームの抽出を試みたが、十分なRNA量を得ることができなかった。現時点で、十分量のRNAが抽出できる条件を確立できておらず、今後の課題となっている。 今回のマイクロアレイ解析にて発現変動が認められたSCD関連遺伝子は少なかったため、今後はまだSCDとの関連が報告されていない遺伝子も含めて研究を進めていく必要がある。そのために、エクソソームのマイクロアレイ解析を早期に行い、今回のマイクロアレイ解析の結果と照らし合わせて共通する遺伝子に着目するなどの手段を講じていきたい。
|