クリプトコックス感染におけるC型レクチン受容体の糖鎖認識機構の解明
Project/Area Number |
17H00637
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学B
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
丹野 大樹 福島県立医科大学, 検査部, 医療技師
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2017: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | クリプトコックス / 自然免疫 / C型レクチン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、世界エイズ死因第2位であるクリプトコックス感染症に着目し、近年注目を浴びているC型レクチン受容体との糖鎖認識機序を明らかにすることで自然免疫における真菌の感染認識機構を理解する目的で行われた。近年、東北大学医学系研究科の川上グループらは、クリプトコックス感染においてDectin-2がTh2サイトカインとムチンの産生に関わることを明らかにし(Nakamura et al. Infect. Immun. 2015)、クリプトコックスの認識にDectin-2が関与することが推測された。私はこれまでの検討により、クリプトコックスのDectin-2リガンドがクリプトコックス菌体表面ではなく細胞壁内にあることを突きとめ、そのリガンドがMannoseを含む構造体であることを明らかにした。本研究ではリガンドのより詳細な構造を解析するとともに、Dectin-2KOマウス由来の骨髄由来樹状細胞(BM-DCs)を用いてサイトカイン産生能を解析することでより生体に近い免疫応答を観察した。 Dectin-2のプラスミドを発現した2B4-NFAT-GFP reporter cellを種々のサンプルで刺激しGFPの発現をフローサイトメーターで解析すると、クリプトコックス菌体のβグルカナーゼ処理上清中に強いGFP活性があることが確認された。さらに、糖を選択的に結合させるコンカナバリンA(ConA)を用いたアフィニティクロマトグラフィーでβグルカナーゼ処理上清内のConA結合画分を粗精製することで、ConA結合画分中にβグルカナーゼ処理上清よりも強いGFP活性が得られることが確認された。加えて、Dectin-2KOマウスから採取したBM-DCsとConA結合画分を24時間共培養し、培養上清中の炎症性サイトカイン(TNF-αおよびIL-12p40)をELISA法により測定すると、Dectin-2KOマウスでは野生型マウスと比較しこれらサイトカインの産生が有意に低下することが確認された。 本研究によりクリプトコックス内のDectin-2リガンドはConAに結合する糖を主成分とする構造であることが示唆された。粗精製されたConA結合画分は、Dectin-2を介してTh1関連サイトカインの産生を誘導することが明らかになり、Dectin-2がクリプトコックスの感染防御に関与することが示唆された。リガンドの正確な構造を明らかにするため、ConA結合画分を用いた糖鎖構造の詳細な解析が今後必要と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)