Project/Area Number |
17H01086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Algebra
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒川 知幸 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40377974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 博 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (40452213)
疋田 辰之 京都大学, 数理解析研究所, 助教 (70793230)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥43,680,000 (Direct Cost: ¥33,600,000、Indirect Cost: ¥10,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2020: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
Fiscal Year 2019: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2018: ¥15,470,000 (Direct Cost: ¥11,900,000、Indirect Cost: ¥3,570,000)
Fiscal Year 2017: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 頂点作用素代数 / 表現論 / W代数 / 数理物理 / 群の表現論 / 無限次元リー環 / 群論(含群の表現論) |
Outline of Annual Research Achievements |
世界的なパンデミックの中、前年度までに行った本研究課題の研究が世界的な注目を浴び、荒川はString Math 2020, Berkeley Informal String-Math Seminarなど、7つの国際研究集会・セミナーでオンライン講演を行った。また、2018年度に研究成果として述べた、荒川とJethro van Ekeren との共著論文が J. Eur. Math. Soc. (JEMS)にアクセプトされた。さらに、2019年度に研究成果として述べた、荒川とCuipo Jiang, Anne Moreauとの共著論文がJournal de l'Ecole polytechnique Mathematiquesから出版され、荒川と山内の山田裕理との共著論文がJournal of the Mathematical Society of Japanから出版された。 研究面では、1)荒川は、川節和哉(熊本大)、Julian Sebag(Rennes,フランス)と共同研究を行い、頂点代数の理論を、微分環に関する古典的なRittの問題に応用した。Rittの問題は表面上は頂点代数と無関係であるため、この結果は専門家に驚きをもって受け止められた。2) リー環の表現論においてtranslation関手は最も重要な道具の一つだが、アフィンW代数にはtranslation関手はこれまで存在していなかった。そこで荒川は、Thomas Creutzig(Alberta,カナダ)、Boris Beign(HSE,ロシア)と共同研究を行い、W代数のtranslation関手を定義することに成功した。またその一つの応用として中島-吉岡のblow-up公式と密接な関係のあるUrod代数を一般の単純リー環に対して定義した。3)荒川は、 Jethro van Ekeren(UFF、ブラジル)、Anne Moreau(Orsay, フランス)と共同研究で、アフィンリー環の許容表現の随伴多様体として現れる冪零軌道に簡易な記述を与えた。4)山内は、W代数の量子還元法とコセット構成法との対応から従う応用について研究を行った。具体的には,A1型のW代数を生成系に持つ頂点代数を調べ,分岐則などを計算することで,所与の生成系から得られうる可能な拡大の様子を絞り込む研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
既に当初の予想以上の多くの重要な結果を得ている。以下に主なものを挙げる。 (1) Thomas Creutzig と Andrew Linshaw と共同研究によりにより, 30 年近く未解決 に留まっていた W 代数のコセット構成法に関する予想の解決を与えた(Invent Mathから出版済)(2) Edward Frenkel との 共同研究により、, 量子幾何学的 Langlands 対応に本質的な役割をする, W 代数の表現論に関する Gaitsgory の予想の解決を与えた(Compos. Math. から出版済)。(3) Anne Moreau との共同研究により、, Brown と Gordon によるシンプレクティック Core の概念 (シンプレクティック葉の代数幾何版) をアーク空間の場合に拡張し, 頂点代数の表現論に応用した(Publ. Res. Inst. Math, から出版済)。(4) Jethro van Ekeren との共同研究 では, W代数の 有理性予想を, ADE 型の副冪零元に付随する W 代数の場合に証明した. (J. Eur. Math. Soc. (JEMS) からオンライン出版済)
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Strategy for Future Research Activity |
上にも述べたように本研究課題は、当初の計画以上に進展している。さらに、課題申請時には全く予期していなかったことだが、本研究課題の研究テーマは現在世界的に注目されている 物理学における4D/2D 双対性と自然に繋がっていることが判明した。4D/2D 双対性のテーマは数学的にも物理学的にも非常に豊かなため、今後は4D/2D 双対性と関係した頂点代数の研究に注力していくことが有益であり, 発展性も高いと考える。
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