Budget Amount *help |
¥41,990,000 (Direct Cost: ¥32,300,000、Indirect Cost: ¥9,690,000)
Fiscal Year 2017: ¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
消化器疾患の多くは遺伝学的な変化とその環境に対する応答によって生じる形質(Phenotype)と解釈することができる。遺伝子-外的環境の相互作用は組織形態異常を誘導し,個体レベルの症候を投影する。システム医学の進歩は,細胞内の遺伝子ネットワークの摂動を定量化することにより,細胞レベルでの疾患形質の理解と治療標的の推定を可能にした。つまり,遺伝学的変化(Genotype)とそれに付随するエピゲノム,トランスクリプトームなどから構成される多階層データを統合的理解することにより,分子レベルでの疾患細分類と正確な治療反応予測に基づくPrecision Medicineが現実化してきた。しかしながら,TCGA などのGenotype研究は飽和しつつあり,臨床的視点をもったヒト疾患のPhenotype,つまり臨床形質を連関させた新しいGenotype-Phenotype研究基盤の整備が急務である。ヒト疾患Genotype-Phenotype研究手法を展開する上で,ヒト組織解析系の欠如が永らく研究進展のボトルネックとなってきた。 我々は,オルガノイド技術と呼ばれる細胞組織システムの体外再構築を先駆的に開発し,従来のGenotype研究では演繹できなかった知見を見出した。本技術は幅広いヒト消化器疾患に応用され, 国際的にも極めて高い注目を集めている。 本研究課題は,上記の学術的背景を基に,多様な疾患組織上皮を包むオルガノイドライブラリーを構築し,疾患Genotype-Phenotype研究の研究基盤整備に取り組んだ。
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