ポスト植民地期ミクロネシアにおける身分階層制と国家体制の関係に関する人類学的研究
Project/Area Number |
17H06543
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cultural anthropology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河野 正治 筑波大学, 人文社会系, 特任研究員 (20802648)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ミクロネシア / ポスト植民地期 / 身分階層制 / 首長制 / 近代国家体制 / 相互行為 / 文化人類学 / 太平洋島嶼研究 / ポスト植民地国家 / 対面的相互行為論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ポスト植民地期ミクロネシアの政治体制に特徴的な身分階層制(首長制)と近代国家体制の併存と葛藤という文化人類学的かつ政治的に重要な課題を取り上げ、ポーンペイ島社会における民族誌的な資料から、両者の関係性の動態を明らかにすることである。本年度は、主に文献研究と資料調査にもとづいて、理論的枠組みの構築と民族誌的分析に取り組んだ。 理論的には、近代西洋国家とは異なる発展形態にある太平洋諸島国家では、近代政体と伝統政体をめぐる矛盾と葛藤が表出しやすいという先行研究の見解を踏まえたうえで、それを具体的な出来事の場において把握すべく、儀礼交換の時間性を実践的諸活動の組織化という点から理解する人類学的な時間論を取り入れた。 民族誌的分析においてはまず、従来の研究で焦点化されていた首長制の領域である「慣習の側」と、近代政治の領域である「政府の側」という対立的な区分にとどまらず、キリスト教会の活動にもとづく「教会の側」を加えた、3つの「側」の併存という枠組みで分析を進めないといけないことを指摘した。結論として、3つの「側」の活動がそれぞれに異なる時間軸を持ち、実践的活動において異なる時間軸が調整されることを通じて、ポスト植民地期における身分階層制・近代国家体制・キリスト教会活動の区分とつながりが不断に組織化され続けることを論じた。 本研究の成果の一部は、『歴史人類』第46号に「現代ミクロネシア・ポーンペイ島社会における儀礼的貢納の時間性―土地の豊饒性に還元されない最高首長への初物献上をめぐって」として掲載された。 以上の研究に加えて、ポスト植民地期ミクロネシアにおける首長制の様相を、倫理的な側面の焦点を当てて分析する作業を並行して行った。この成果は、『史鏡』第75号に「再分配の倫理性―ミクロネシア連邦ポーンペイ島社会における首長制と祭宴の事例から」として掲載予定である。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)