Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
全身の異なる組織・器官の間で情報のコミュニケーションを図ることは、個体としてのパフォーマンスを適正に発揮するために重要である。近年、植物において、RNAやタンパク質といった生体高分子が、全身性の情報伝達に働くことが明らかとなってきた。主たる伝達経路は全身に栄養を運ぶ組織である篩管と考えられ、mRNAは篩管中に多く見つかる。これまでに当グループを含む複数の研究者による異種間接ぎ木実験と次世代シーケンサーを用いた網羅的な解析によって、複数の植物種で移動性mRNAが同定されている。同じファミリー遺伝子をコードするmRNAが、複数の種において移動性mRNAとして検出されることから、その進化的保存性が指摘されており、それ故に移動性mRNAは未知の生物学的意義を持つことが期待される。しかし、移動性mRNAの追跡技術が不在であるため、長距離移動の時空間的動態が未解明であり、移動することの生物学的意義の理解は殆ど進んでいない。そこで本研究では、植物体内におけるmRNAの長距離移動を追跡する「RNA可視化技術」を構築し、その技術と「マイクロデバイス」を併用してライブイメージングを実現し、移動性mRNAの時空間的動態を明らかにすることで、長距離移動するmRNAの生物学的意義に迫ることを目的とした。本年度では、RNA可視化のためのSpinach2/DFHBI-1Tシステムにてイメージングを行う植物系統の選抜および観察条件の最適化を行い、イメージングに向けたシロイヌナズナ接ぎ木デバイスの改良を実施した。その結果、Spinach2/DFHBI-1Tシステムで強いシグナルを検知できる植物系統を確立することができた。また、高倍率での観察において、観察対象組織が対物レンズ近くに固定されるように改良した接ぎ木デバイスを作製することができた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plant & Cell Physiology
Volume: 58 Issue: 8 Pages: 1291-1301
10.1093/pcp/pcx098