Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本年度は研究実施計画に基づいて下記のような実験を行い結果を得た。① FcRnおよびRTXのLC/MSMSを用いた分析系の構築とADA産生の評価抗薬物抗体(ADA)の産生や抗体の血中保持に寄与する胎児性Fc 受容体(FcRn)の発現変動により抗体医薬品の血中濃度が変動する可能性が報告されている。研究代表者らが実施した臨床研究でみられた血中濃度低下の原因として、ADAおよびFcRnの発現変動の2つを考えその寄与の評価を試みた。まず初めに、ADAの存在の有無に依存せず血中の全RTXを定量できるLC/MSMSによる測定系を構築した。定量下限が1 ug/mlを下回り臨床検体を測定するには十分な感度で測定できる系である。構築した系で臨床検体を測定した結果、ELISAで測定した結果と相違がなかったため、ADAの産生はなかったものと考えれる。ADAに関してはELISAによる測定も実施しており、その結果でも陰性であった。また、FcRnの定量系は構築済みであるが臨床検体での測定は実施していない。② RTX糖鎖構造の変動因子の探索血中には単糖転移酵素や単糖脱離酵素などが存在することが報告されており、こうした酵素がRTXの糖鎖構造の変化に関与していることが示唆される。そこで、ヒト血漿中で一定期間RTXを反応させ構造変化を評価することで血漿中成分の寄与を推察した。血漿中においてもRTXの構造変化は体内での変化と同等であったため、血漿中の何らかの成分が構造の糖鎖構造の変化に寄与していると考えられる。また、熱処理をした血漿をRTXと一定期間反応させても、RTXの構造には変化がなかったためRTXの糖鎖構造の変化に寄与しているのは血漿中の酵素である可能性が考察される。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
All 2017
All Presentation (3 results)