Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
これまでの研究で、歯の再生に向けたcell sourceの獲得へ向けて、歯原性上皮幹細胞の大量培養法への開発に繋がると考えられる基底膜分子Nephronectin (Npnt)の同定に成功した。前年度において、その構成ドメインであるEGF like repeat配列を介してEGFシグナル伝達経路を調節し、歯原性上皮幹細胞の分化、維持に重要な役割を果たす可能性があること、またRGD配列を介して細胞接着を行う可能性および歯原性上皮細胞の分化制御を行う可能性があることが示唆された。RGD配列はインテグリンを介してシグナルを調節することが知られているため、本年度は歯原性上皮細胞におけるNpntのRGD配列を介したインテグリンとの関連性を調べるため、まずrecombinant Npntをコーティングした培養皿に歯原性上皮幹細胞であるM3H1細胞を播種後、培養した。そのサンプルよりRNAを抽出し、様々なインテグリンαおよびインテグリンβの発現レベルを確認したところ、インテグリンの種類によりその発現レベルに差が認められ、NpntのRGD領域は特定のインテグリンと関与して細胞接着を行う可能性が示唆された。さらにマウス切歯を用いて様々なインテグリンとNpntとの共染色を行ったところ、特定のインテグリンにおいて、Npntの発現が減弱し始める部位における発現増強を認め、同部位よりアメロブラストの分化マーカーであるAmeloblastin(Ambn)の発現増強を共に認めた。この二つの実験においてNpntと関連性の強いインテグリンの種類が一致したため、Npntは特定のインテグリンを介して歯原性上皮細胞の分化制御に関与する可能性が示唆された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2017
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