Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
cDNAディスプレイ法は、1000億~1兆という膨大なペプチドの分子集団 (ライブラリ) から、標的分子に特異的に結合するペプチド (標的結合ペプチド) を探索することが可能な技術である。しかしながら、cDNAディスプレイ法による探索は、標的分子に対する結合能の強弱のみを指標とすることから、ペプチドアゴニストの探索には、必ずしも効率的な手法とは言えない。そこで、本研究では、cDNAディスプレイ法と受容体結合ペプチドのオートクライン機構を反映する細胞アッセイ系を組み合わせて、効率的にペプチドアゴニストを探索できるin vitro実験系の確立を目指した。具体的には、標的受容体のシグナルに依存し増殖する細胞に、cDNAディスプレイ法により取得した標的結合ペプチド遺伝子群を導入、分泌発現させ、オートクライン効果により増殖する細胞を同定することで、ペプチドアゴニストを探索するin vitro実験系の確立に取り組んだ。モデルとしてインターロイキン (IL)-27/IL-27受容体シグナリングを採用し、IL-27依存的に増殖するBa/F3-IL-27R細胞に、IL-27を分泌発現系で遺伝子導入、オートクライン効果による増殖を確認する系の検討を進めた。具体的には、一本鎖化されたIL-27遺伝子が挿入されたレトロウイルス作製用ベクターの調製まで完了した。一方、環状ランダム9アミノ酸ペプチドおよび直鎖ランダム15アミノ酸ペプチドライブラリのcDNAディスプレイを調製し、IL-27受容体安定発現株に対する標的結合ペプチド遺伝子群の取得を進めた。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。