Project/Area Number |
17J00393
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白石 直人 慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 非平衡統計力学 / ゆらぐ系の熱力学 / 有限時間熱力学 / 量子速度限界 / 熱機関 / 量子制御 / 確率過程 / 熱効率 / 仕事率 / トレードオフ不等式 / リーブ・ロビンソン限界 / 不確定性関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究1年目に想定以上の速さでの研究の進展があったため、2年目には得られている結果をより体系的にまとめ直すと同時に、「速度限界」の問題との関係性をより深く理解するための研究を行った。まず、ここまでに得られていた熱機関の効率とスピードに関する結果を整理し、特に不等式に出てきた量に対する物理的な意味を考察した。その結果、まずLangevin系においては、この係数は運動量期待値という物理的に明確な意味を持つ量に比例することが分かった。さらに、平衡近傍の線形応答領域の系においては、この係数は熱伝導度と一致するとともに、得られていた効率とスピードのトレードオフは、線形応答領域では等号達成するタイトな不等式であることが分かった。この結果は、得られた不等式が強いバウンドであることを示すと同時に、係数は「熱流のゆらぎ」のような物理的な意味を持つ量であることを示唆するものである。また同時に、この係数に対する上からの不等式評価も得られ、「有限パワーではカルノー効率は達成できない」という禁止定理をより明確に示す結果となった。 もう一つの、「量子速度限界」との関係性についても、マルコフ過程の場合の効率とスピードのトレードオフ不等式の手法を応用し、古典マルコフ過程で記述される系に対する速度限界を導出した。また、この結果は古典マルコフ過程に対するものだったが、量子マルコフ過程に対しても同様の不等式を得ることが出来た。 研究計画3年目で行う予定だった、熱機関の操作者のゆらぎの影響についても、量子系の操作精度と操作者自身のエネルギーゆらぎに対するトレードオフ不等式を得ることに成功した。これは微小な量子系の制御における新たな原理限界を示すものである。 これらとともに、マクロ系の熱平衡化の微視的基礎に関する研究も行い、様々な結果を得ることに成功している。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)