パルサータイミング観測によるアクシオン暗黒物質の検出理論の構築と重力理論の検証
Project/Area Number |
17J00568
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
青木 新 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アクシオン / 暗黒物質 / 修正重力理論 / 宇宙マイクロ波背景放射 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題名にある「パルサータイミング観測」とは,ナノHz程度の低周波数の重力波の検出を目的とする実験であり,本研究はこれをアクシオン暗黒物質の検出に応用しようとするものである.この研究は,アクシオン暗黒物質が重力相互作用を通して見せる,他の暗黒物質の候補には無い特徴的な振舞いに着目したものである.当初の研究実施計画で2年目に行う予定であった「重力理論の検証」に昨年度の段階で一定の成果があったことから,本年度は「アクシオン暗黒物質の検出」に関する研究を行なった.当初は「パルサータイミング観測」のみに着目していたが,原理的には重力相互作用に基づく任意の観測がアクシオン暗黒物質探索に応用できるため,本年度は,Planck衛星による宇宙マイクロ波背景放射(CMB)のゆらぎの観測データを用いて,アクシオン暗黒物質モデルに制限を与えるという研究を行なった.
アクシオンは仮説上のスカラー粒子であるが,その質量が非常に小さいと予測されることから,粒子というよりは,むしろ波のように振舞うと考えられている.この波動性により,重力相互作用の下で,他の粒子的な暗黒物質の候補とは異なる特徴的な振舞いをするため,その痕跡がCMBなどに残っている可能性がある.具体的には,CMBのゆらぎを計算するための既存の数値計算コードにアクシオン暗黒物質を組み込み,Planckグループが2015年に発表したCMBゆらぎの観測データに対して,標準的なマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いた解析を行った.その結果,(1)アクシオンが全暗黒物質を占めるためには,その質量が10^-24.1 eVより大きくなくてはならないこと,(2)質量10^-26 eVのアクシオンは,全暗黒物質の6%以上を占めることができないこと,などを明らかにした.この研究により,未だ正体のつかめていない暗黒物質の性質についての新しい制限が得られた.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)