Project/Area Number |
17J01825
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biomolecular chemistry
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
峯岸 彩夏 同志社大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 一酸化炭素 / シクロデキストリン / 細胞内導入 / ポルフィリン |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内に存在する内因性一酸化炭素(CO)の生物学的役割を検討するため、当研究室で以前開発された、極めて高いCO親和性を示す超分子錯体hemoCDに、細胞膜透過性ペプチドとして知られるオクタアルギニン(R8)を修飾したR8-hemoCDを開発し、細胞内COの擬ノックダウン系の確立を行った。R8-hemoCDの合成を質量分析法により確認した後、吸収スペクトル測定によりR8-hemoCDがhemoCDと同程度の錯体安定性およびCO親和性を示すことを明らかにし、さらに細胞に対する毒性が低いことを確認した。次にR8-hemoCDが細胞内COを捕捉するかどうかについて、COを結合して蛍光を発するプローブ(COP-1)を用いて検討した。R8-hemoCDおよびCOP-1を含む培地でインキュベートした細胞内では、COP-1の蛍光が観測されなかったことから、R8-hemoCDが細胞内へ導入され、COを捕捉していることが示唆された。以上の研究成果をまとめてJ. Am. Chem. Soc.に論文を発表した。 R8-hemoCDが細胞内の内因性COを除去する有用なツールであることがわかり、これによって未だ明らかにされていないCOの生理機能の解明が大きく進歩すると期待される。今後はCOの関与が報告されている体内時計やミトコンドリアでの細胞呼吸において、R8-hemoCDを細胞へ加えた際の変化を検討し、COの生理作用の詳細を解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R8-hemoCDの合成および細胞内CO捕捉分子としての機能評価をすでに終え、当初計画していた、COの擬ノックダウン系の確立に成功したため、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、R8-hemoCDを用いて細胞内COの生理機能の解明を行う。具体的には内因性COの細胞内における時計リズムへの関与や、ミトコンドリアでの呼吸機能の制御について、COを除去した際の変化を観測することで検討を行う。
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