クロマチン制御による始原生殖細胞の転写抑制メカニズムとその生物学的意義の解明
Project/Area Number |
17J02073
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
巳波 孝至 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | C. elegans / 始原生殖細胞 / クロマチン |
Outline of Annual Research Achievements |
始原生殖細胞は生殖細胞(精子や卵など)の元となる細胞であり、その形成・維持は生物が子孫を維持する上で不可欠である。本研究では、線虫始原生殖細胞の維持過程における大規模な転写抑制制御に必須のクロモドメイン蛋白質 MRG-1の機能解析を進めることで、転写抑制制御に関わるクロマチン制御の分子メカニズム、及びその生物学的意義の解明を目指した。これまでの研究により、mrg-1変異体の始原生殖細胞では生殖細胞遺伝子の早期発現、及び異常な染色体構造が生じることを明らかとしている。そこで、平成30年度の解析ではこれらの制御機構についてさらなる検証を行った。 まず、始原生殖細胞におけるヒストン修飾状態の比較解析により、MRG-1非存在下では転写促進に働くH3K4me2、H4K16ac修飾のシグナルが亢進することを発見した。よって、前年度の結果を踏まえ、MRG-1はH3K36メチル化酵素MES-4によるヒストン修飾を認識・結合した後、H4K16脱アセチル化酵素などのヒストン修飾因子の機能を介して転写抑制制御に機能するとのモデルを立てている。次に、mrg-1変異体の始原生殖細胞における異常な染色体構造がゲノムDNAの修復異常によって生じるとの予測の下、DNA修復のマーカーを用いた検証を行った。結果、組み換え酵素RAD-51のfociの減少、並びに細胞周期チェックポイントキナーゼCHK-1のリン酸化シグナルの亢進が観察された。また、mes-4変異体ではこれらの異常が観察されず、野生型に近い様子が観察された。 以上の結果より、MRG-1はMES-4を介したクロマチン制御によって転写抑制状態を保つと同時に、RAD-51などのDNA修復因子を介したゲノムDNAの安定化にも機能することで、線虫始原生殖細胞の維持過程において、生殖細胞遺伝子発現の時間的制御、及び遺伝情報の保持の両方を担うと考えられる。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)