海底測地観測の高精度化を通した東北沖地震に伴う余効変動プロセスの解明
Project/Area Number |
17J02652
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
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Research Institution | Hokkaido University (2018) Tohoku University (2017) |
Principal Investigator |
富田 史章 北海道大学, 理学研究院, 研究員
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 2011年東北沖地震 / GPS音響結合方式 / 海底地殻変動観測 / 測地インバージョン / 粘弾性緩和 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,(1)GPS音響結合方式による海底地殻変動観測(以後,GPS-A観測)データ解析の高精度化を図ることで,2011年東北地方太平洋沖地震(以後,東北沖地震)後の詳細な海底地殻変動場を明らかにし,(2)(1)の結果を用いて東北沖地震に伴う地震後地殻変動(余効変動)のモデル化を行う,ことで構成される. (1)GPS-A観測データ解析においては,海中音速の傾斜構造を取り入れた傾斜パラメータと海底局位置(海底での変位)の同時推定を試みた.同時推定では,カルマンフィルタを導入することで海中音速構造の詳細な時空間変化を捉えることを試みた.しかし,海底局位置と傾斜パラメータ間のトレードオフが顕著であり,単一音響測距ごとでの精密測位は困難であることがわかった.一方で,観測時間内で普遍な海中音速の傾斜構造については,一部の観測データにおいては除去できることが判明し,測位精度の改善に成功した. (2)東北沖地震に伴う余効変動のモデル化では,(1)によって改善された測位結果を得るのに時間を要したため,従来手法によるGPS-A観測成果を用いて解析を実施した.GPS-A観測成果と,余効変動要因の一つである粘弾性緩和に関する先行研究のモデルを比較したところ,粘弾性緩和の発生要因である地震時すべり分布モデルの不確定性が余効変動のモデル化に与える影響が大きいことがわかった.そこで,粘弾性緩和の影響をグリーン関数として取り入れること(粘弾性グリーン関数)で,地震時すべり分布と地震後すべり分布の同時推定を行った.その結果,東北沖地震後の海底地殻変動データを加えることで,地震時・地震後ともにこれまでより高空間分解能でのすべり分布を得ることに成功した.このことは,地震が発生した後であっても,海底地殻変動観測などの観測網を充実させることで,地震後の測地観測から地震時の変動を拘束できることを示している.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)