3次元ディラック電子系アンチペロブスカイト酸化物における磁気輸送現象
Project/Area Number |
17J05243
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
末次 祥大 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ディラック半金属 / トポロジカル物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究目的であった磁気輸送測定に加え、ディラック電子の巨大軌道反磁性にも注目して研究を行った。ディラック電子系ではバンド間効果によって巨大な軌道反磁性が生じることが理論的に知られている。この軌道反磁性はビスマスのバルク磁化率などで観測されてはいたものの、バルク磁化率はスピンや軌道などの様々な寄与を含むために、軌道項を微視的に分離して観測できていたわけではないという問題があった。磁化率の寄与を微視的に分離するには核磁気共鳴測定が有効な手段であるが、核スピン9/2を持つビスマスでは電気四重極相互作用の寄与が現れるために磁化率を議論することが難しいという問題があった。 我々は本研究の対象物質であるアンチペロブスカイトSr3PbOが電気四重極相互作用の影響を受けない核スピン1/2を207Pbに持つことに注目し、核磁気共鳴測定を行った。核磁気共鳴測定から得られたナイトシフトとスピン格子緩和率をコリンハの関係式を用いて解析することにより、ナイトシフトから軌道項を分離することに成功し、ディラック電子の巨大軌道反磁性の存在を初めて明らかにすることができた。さらに、バルク磁化率の測定も行いナイトシフトと比較することで、ディラック電子の巨大軌道反磁性が従来の局在電子に由来するVanVleck磁化率ではなく、遍歴電子の軌道電流によって生じていることまで明らかにした。 さらに、ディラック電子系ではカイラル異常に誘起された負の縦磁気抵抗効果が生じることが期待されているため、二軸回転プローブを新たに作成してSr3PbOの角度依存磁気輸送測定を行ったところ、数T以上の磁場において電流端子と電圧端子が磁場方向に並ぶ角度で磁気抵抗にピークが観測された。これは電流が磁場方向に集中的に流れてしまう電流ジェット効果が生じていることを明瞭に示す結果であり、カイラル異常の検証にはさらなる測定が必要である。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)