電子格子結合系に対する時間依存変分モンテカルロ法の開発と光誘起超伝導転移の解明
Project/Area Number |
17J07021
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井戸 康太 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2017: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 強相関電子系 / 高温超伝導 / 非平衡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、銅酸化物において光照射により超伝導を平衡系では達成できないほど大きく増強させる新しいアプローチを提案すること、および実験で観測されたフォノン励起による光誘起超伝導の機構を理論的に明らかにすることである。以下に本年度の研究実績の概要を述べる。 ・高強度レーザーを用いた相関電子系における超伝導の制御 ホールドープされた二次元Hubbard模型における基底状態および非平衡状態を多変数変分モンテカルロ法を用いて解析した。特に、空間一様なd波超伝導状態とストライプや相分離などの電荷不均一状態の競合について着目した。まず、基底状態におけるそれらの競合について詳しく調べた。その結果、相互作用を大きくすることによって急激に超伝導が強まる空間一様な状態は、強相関領域においては電荷不均一性の発達により基底状態として安定化されないことを明らかにした。続いて非平衡状態の解析を行った。平衡下では実現されない強い超伝導状態は、高強度のレーザーを照射することによって動的に実現できることを示した。この現象は、光による電子の加速が静的に固まった不均一状態を不安定にさせる一方、動的局在という移動積分値が小さくなる効果によってキャリア間に働く有効引力が増大する、という複合的な効果によって起きたものと考えられる。以上の内容は2本の原著論文としてすでに出版されている。 ・非平衡電子-格子系のための多変数変分モンテカルロ法の開発 非平衡電子-格子結合系に適用できるよう多変数変分モンテカルロ法を拡張した。一次元Holstein模型における電子格子相互作用を急激に変化させた時の緩和ダイナミクスへ適用したベンチマーク計算を行った。ベンチマークの結果、電荷相関関数や二重占有度といった物理量の厳密な時間発展を高精度に再現できることがわかった。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)