Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
研究員は、令和元年度の研究テーマを『動物の権利運動のイスラエルにおける進展』と、『ジェンダーの視点から見たシオニズムの系譜の考察』の二つに設定し、主に年度前期を前者のテーマに、主に年度後期を後者のテーマに時間を割き、研究を進めてきた。以下にその概要を報告したい。1.前期5月12日に秋田大学で行われた中東学会第35回年次大会において、『イスラエルの動物の権利に関する運動・ヴィーガニズム:ナショナリズムとパレスチナ問題の関わりから』の報告を行い、昨年度からの継続した研究成果を発表した。また、7月16日より、イスラエル国に調査渡航した。現地では、テル・アヴィヴ及びイェルサレムに滞在し、現地での資料の収集と参与観察、対象としている動物の権利活動家やヴィ―ガンなどに複数のインタビューを行った。8月6日より、外部調査員としてヘブライ大学で行われた二か月間の語学講座(サマー・ウルパン)を受講し、ヘブライ語の語学向上に努めた。その結果、ヘブライ語の語学水準「ヘー(上級)」を修了した。2.後期引き続き、7月期から9月期の研究成果をまとめ、Settler Colonial Studiesのジャーナルに論文を投稿するために論文を執筆中である。また、これらと並行して、従来のイスラエル国内の運動を、シオニズムとの接続の文脈で考察し、統合するべく、Daniel Boyarinといった、シオニズムとジェンダー・セクシュアリティに関する先行研究の読解に着手した。さらに、これまでのセクシュアリティに関する研究について、12月にはイスラーム・ジェンダー科研シンポジウムにて、『イスラエルのゲイ・コミュニティにおける境界と排除――パレスチナ人ゲイの事例からの考察』の報告を行った。これらの研究成果をまとめ、2020年4月に博士論文構想届の提出、2020年7月に博士論文リサーチコロキアムの開催を予定している。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2019 2017
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)
Annals of Japan Association for Middle East Studies
Volume: 34 Issue: 2 Pages: 35-70
10.24498/ajames.34.2_35
130007826466