表面振動分光を基軸とした氷表面の不均一触媒作用の解明
Project/Area Number |
17J08352
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大槻 友志 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 結晶氷 / ナノ粒子 / 表面構造 / 和周波分光 / 氷 / 表面 / 分子構造 / Rh(111) |
Outline of Annual Research Achievements |
結晶氷はオゾン層破壊の反応場として機能している。上空においては、氷は微粒子として存在しており、その熱力学的特性は、粒子サイズに依存することが知られている。特に、氷微粒子の表面に存在する疑似液体層は、大気中の化学反応に影響を与え、表面融解も粒子サイズに依存すると期待される。しかし、バルク氷の表面であっても、表面融解の開始温度は113-270 Kと論文によって異なる値が報告されており、真の表面融解温度については未だ議論の渦中にある。氷ナノ粒子の表面融解を研究する際には、さらに加えて、よく規定された氷微粒子を作製し、その表面特性を観測する必要がある。そこで、氷のような絶縁体の分子性固体の表面構造を非破壊で計測可能な、ヘテロダイン検出和周波発生振動分光(HD-SFG)を用いて研究を行った。試料は、超高真空槽内で作製したRh(111)清浄表面上に、同位体希釈HOD氷薄膜を蒸着させてナノ結晶氷を作製した。 HOD分子の水素結合OH伸縮振動領域におけるHD-SFGスペクトルの粒子サイズ依存性を測定した。低波数側に正、高波数側に負の信号が観測された。SFGスペクトルの符号は分子配向を反映するため、正の信号は真空側を向いたOH、負の信号はバルク側を向いたOHに帰属される。OH波数は水素結合強度(水の分子間距離)が強いほど低波数になるので、下向きのOHの方が上向きのOHよりも分子間距離が長い、ランプリング構造が発現していることを示している。粒子サイズが小さくなるほど、ピーク波数差は大きくなる。したがって、粒子サイズが小さいほどランプリング振幅が大きくなり、構造乱れが大きくなることが明らかになった。 特に、高さ1.4 nmの粒子は負のバンド幅が非常に大きい。このスペクトルは、結晶氷と液体水のHD-SFGスペクトルの線形結合で良く再現できる。したがって、ナノ粒子の表面が融解していると結論した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)