染色体に転移した外来性薬剤耐性遺伝子の薬剤耐性菌の世界的拡散におけるリスク評価
Project/Area Number |
17J08848
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Laboratory medicine
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
浜元 宏太 琉球大学, 保健学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 薬剤耐性菌 / ESBL / Insertion sequence |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤耐性遺伝子を保持したプラスミド(薬剤耐性プラスミド)は細菌から細菌へと伝達されることから、これまで薬剤耐性プラスミドの伝達に着目した疫学的研究が多くなされてきた。近年、insertion sequence(IS)により、プラスミドから染色体へ転移した薬剤耐性遺伝子(染色体性薬剤耐性遺伝子)を保有する薬剤耐性菌が市中院内より検出されてきた。本研究はこれまで明らかにされていなかった、染色体性薬剤耐性遺伝子の、薬剤耐性菌の検出率増加への役割の一端を明らかにすることを目的とした。 薬剤耐性菌の一つであるCTX-M型基質特異性拡張型βラクタマーゼ産生菌をモデルとした実験Escherichia coli株を作製し、ISの一つであるISEcp1による、blaCTX-Mのプラスミドから染色体への転位を観察した。研究期間中に得られた知見を以下に示す。①ISEcp1による blaCTX-M-14のプラスミドから染色体への高頻度な転位が観察された (平均 0.51%)。②①の転位により、ISEcp1、blaCTX-M及びさらに下流の領域を含む様々なDNA鎖長を示す配列(2927 bp~5896 bp)が染色体上のランダムな位置に挿入されていた。以上のことから、ISEcp1によるプラスミドから染色体へのblaCTX-Mの高頻度な転位は、市中院内よりこれまで検出されてきた染色体性blaCTX-M保有E. coliが検出されてきた原因の一つであることが示唆された。ISEcp1はblaCTX-M及びその下流の領域を転位させることによりランダムな遺伝子領域に挿入することから、他のISや薬剤耐性遺伝子などの遠位の遺伝子を捕捉し再度染色体もしくはプラスミドの別の領域へと転位する可能性が示唆された。以上の研究成果より、染色体性薬剤耐性遺伝子は薬剤耐性菌の検出率増加の原因の一つとなり得ることが示唆された。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(3 results)
Research Products
(16 results)