量子ホール系における位相制御テラヘルツ光を用いた電子状態の量子制御
Project/Area Number |
17J09419
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内田 健人 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2017: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | テラヘルツ / 光物性 / 半導体量子井戸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、量子ホール系をしめす半導体量子井戸での光ドレスト状態の理解を目的として、まず無磁場・非ドープ条件での、位相制御されたTHz光電場下の光学応答について、コヒーレント応答・キャリアダイナミクスの2つの側面から取り組んだ。それぞれから、光誘起非平衡状態のエネルギー構造と電子分布の情報を取り出した。前者の研究として、THz誘起サイドバンド生成の観測を行った。ヘテロダイン検波法を利用するシステムを構築し通常の手法と比べてより高感度な振幅の検出と位相情報の取り出しに成功した。この手法を用いてTHz光ドレスト状態のエネルギースペクトルを得た。スペクトルのTHz光電場依存性から、励起子のTHz光電場によるイオン化が、THz光ドレスト状態の非摂動論的な振る舞いを引き起こしていることを明らかにした。以上の結果を論文にまとめ、Physical Review B誌に出版受理された。 後者の研究としてTHz光電場下での電子分布を知る上で重要である、THz誘起発光の実験を行った。ここでは電子分布の時間・空間上でのダイナミクスを調べるために金属アンテナによる電場閉じ込めと、時間・空間分解発光測定を組み合わせ、空間分解能2ミクロン・時間分解能10 psでの発光測定を実現した。THz誘起発光の初期時間に着目すると、2種類の時間領域での立ち上がり成分を示した。早い立ち上がり成分は金属アンテナ近傍でのみで生じ高いキャリア温度である一方、遅い立ち上がり成分は金属アンテナ間全体から発光し、比較的低温なキャリア温度をもつことが分かった。THz電場依存性を調べることで、早い立ち上がり成分は、THz電場によるツェナートンネリング、遅い立ち上がり成分は誘起されたキャリアのTHz電場加速によるキャリア増幅過程に起因することを明らかにした。以上の研究は、国内学会での発表を行った。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)