Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2019: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2017: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
1.処女乾燥時における異なる鉱物組成・粒子径による収縮挙動の把握:セメントペーストの骨格構造を担うC-S-Hは、エーライト・ビーライトの2種のクリンカー鉱物の水和反応から析出するが,水和反応の遅いビーライトを多く含む低熱ポルトランドセメントおよびセメント粒度の異なる普通ポルトランドセメントを用いた試験体を作製した。C-S-Hの内、もとのセメント粒子の外側に析出する低密度なC-S-Hは、乾燥時の構造変化が大きくセメントペーストの乾燥収縮挙動へ与える影響が大きいと考えられる。試験体作製後の特定の材齢で水和反応率および相組成の評価、吸着試験による空隙構造の同定、比表面積の測定を行い、併せて乾燥収縮試験を行いセメント種類や粒径の違いによる低密度C-S-Hの析出性状および収縮ひずみとの関係評価を行う。普通セメントにおいて処女乾燥時のセメントペーストの乾燥収縮ひずみと使用セメントの粒子径および乾燥開始時の低密度なC-S-Hの割合は密接な関係を持っていることが確認され,令和元年度は,ビーライトが多く含まれる低熱ポルトランドセメントを使用した試験体では,水和の進行に伴った試験体材齢に対する窒素比表面積の変化は,普通ポルトランドセメントを使用した場合の傾向と異なっており,窒素吸着からC-S-Hの空隙構造を評価した際,低熱セメントペーストでは高密度C-S-Hの割合が高くなることが明らかとなった。 2.乾燥時の曲げ強度変化および空隙構造の変化に関する把握:水セメント比の異なる早強セメントペーストを作製し,各相対湿度で乾燥させた試験体の曲げ強度および吸着試験を行った。処女乾燥時の曲げ強度変化は,乾燥によるマクロ/メソ孔の増大による強度低下とC-S-Hの凝集による固相の強度増大による組み合わせによって決定されるが,水セメント比が異なる場合,強度の変化に大きく寄与する空隙径が異なることが明らかとなった。
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