エリザベス朝の戯曲本におけるイタリア的要素の実証的研究
Project/Area Number |
17K02558
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Literature in English
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
冨田 爽子 拓殖大学, 付置研究所, 客員研究員 (30197925)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 英国ルネッサンス / イタリア / エドワード6世時代 / 印刷・出版業者 / プロテスタンティズム / スティーヴン・ミールドマン / カテキズム / 文化受容 / 英国ルネサンス / エドワード朝 / 出版業者 / プロテスタント / Steven Mierdman / アントワープ / 英文学 / 書誌 / 出版 / Stieven Mierdman |
Outline of Annual Research Achievements |
エリザベス朝文学の研究において、イタリアの影響を考えることは大きな意義がある。シェイクスピアの戯曲の上演を人々は上流階級の人々も、また一般の庶民もそれぞれのイタリア文化理解のレヴェルで楽しんでいた。しかしエリザベス以前のエドワード時代には、英国はイタリアの影響がなかったとされている。果たしてそうであったろうか?エリザベス時代に見られる熱狂的なイタリアかぶれは、突如として興ったものであったのだろうか?本研究は、その真偽を考察する。 エドワード時代はたった6年半の短い治世であったが、英国にプロテスタンティズムの風が吹き荒れた時代であった。大陸におけるカールV のプロテスタントへの締め付けで、多くのプロテスタント達が英国に流れてきた。 また、同時にこの時代は印刷出版が急速に発展し、大量の本が社会に溢れた時代でもある。本に対する価値観が大きく変わり、政府はこれをプロテスタンティズム振興の手 段として活用した。本研究者はこの2つの要素が、イタリアの影響の有り様にも色濃く反映していると考える。 さらにこのような時代の流れに乗って、それまで大陸の出版業界から大きく遅れを取っていた印刷業者、出版業者の活動にも変化が起こった。エドワード時代のイタリアの影響とは何か?宮廷を中心とした上流階級のイタリアへの関心についてはヘンリーVII の時代から周知の事実であるが、国民一般はイタリアを既に意識していたのであろうか?これに対する答えを、この時代に英国で出版された現存する全出版物の中で、イタリア本が今まで考えられていた以上に多く出版されていることを指摘する。特に他とは異なる希少価値を持つ1冊に着目してその意義を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はエドワード6世時代に英国で出版された書物について、印刷・出版の観点から考察するため、当時出版されたオリジナルの書物に一冊づつあたって、 様々な観点から検討することが必要であるが、コロナ・ウィルスの蔓延のため、英国やイタリアへ渡航することがかなわなかった。取りあえず、電子媒体による 調査をしてきたが、次年度渡航が実現できれば、実物にあたって、確認作業をしたいと考えている。今までの研究成果は2本の論文にまとめ紀要で出版した。
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Strategy for Future Research Activity |
1昨年10月に日本シェイクスピア協会の学会で発表して、好評をいただくことができた研究成果を踏まえて加筆修正を行い、さらに注目すべき印刷業者スティーヴン・ミールドマンの英国における活動についての考察を行い、2本の論文にまとめ紀要に掲載した。来年度中にこの論文の英語版を作成してひとまずエドワード6世時代についての考察を終わらせ、次のメアリー1世時代の研究に進みたいと考えている。現在、現存するテューダー朝全体の出版物のデータベースを作成中であり、最終目標はテューダー朝においてイタリアが英文学にどのような影響を与えたのかを研究したいと考 えている。
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Report
(6 results)
Research Products
(9 results)