鳥取県倉吉方言における平板型アクセント回避の実証的研究

• Project/Area Number: 17K02687
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Allocation Type: Multi-year Fund
• Section: 一般
• Research Field: Linguistics
• Research Institution: Tottori University of Environmental Studies
• Principal Investigator: 桑本 裕二 公立鳥取環境大学, 人間形成教育センター, 教授 (40333273)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2021-03-31
• Project Status: Discontinued (Fiscal Year 2020)
• Budget Amount: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000); Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000); Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000); Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000); Fiscal Year 2018: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000); Fiscal Year 2017: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
• Keywords: 鳥取県倉吉方言 / 平板型アクセント / 卓立型アクセント / ア段長音 / 鳥取県東部方言 / 開合音 / 方言の変化と変異 / 倉吉方言 / 鳥取県中部方言 / initial lowering / 起伏型アクセント / 開合音の区別の残存 / 中高型アクセント / 尾高型アクセント / 言語学 / 音韻論 / 日本語学 / 方言学 / アクセント

Outline of Annual Research Achievements

鳥取県倉吉方言において、本研究課題で中心的なトピックである「平板型アクセントの回避」にともなう現象として、東京方言で優勢でない中高型（特に後ろ寄りのもの）と尾高型のアクセントの分布状況を調べた。その結果、意味論的語彙種による分布の多様性はほとんどみられず、重音節の配列などの音節構造や品詞の分類による分布の調査が必要と考えた。当該方言で平板型アクセントが回避される遠因として、アクセント核以外は全て低音調となる卓立型と呼ばれる音調配列が考えられる。平板型アクセントでは、韻律語のほぼ全ての範囲が低音調になるが、その分布と世代間の比較による通時変化について、調査範囲を鳥取県中部から東部地域に拡大して共時的分布について調べた。その結果、東部地域より中部地域の方が伝統的な音調配列を保持する傾向が強いなどの結果が得られた。当該方言で、平板型アクセント語の割合が少ないことを実証するため、網羅的にアクセント型の分布を調査することとし、『NHK日本語発音アクセント新辞典』（NHK放送文化研究所編，2016年）を用いて４モーラ名詞の分布を全数調査し、それに基づいて当該方言のアクセント型ごとの分布の割合を割り出し、当該方言での分布を調査する計画を立てた。
2019年末ごろからコロナウィルス感染拡大の影響で調査ができなくなり、また、学会等での他の研究者との意見交換も不十分であり、特に起伏型アクセントの分布に関する網羅的な調査は頓挫した。しかしながら、当研究は今後も継続していく予定である。
中心となる研究課題に付随して、当該方言を含む山陰地方に幅広く観察される、開音由来のア段長音の出現の系譜とその理論的派生の説明について研究し、論文にまとめた。
さらに、市民向け講演会を合計8回（うち、研究代表者によるもの3件）実施した。
当研究期間に発表したのは、論文４本、口頭発表６件、講演７件である。

Research Products

• [Journal Article] 鳥取県中部および東部方言における平板型アクセントの音調配列の分布と変化 (2021)
  • Author(s): 桑本裕二
  • Journal Title: 東北大学言語学論集 Volume: 29 Pages: 63-76
  • NAID: 120007159810
  • Open Access
• [Journal Article] 福本和夫稿『伯耆北條地方ノ訛言・方言・略語考』(1942) の福本和夫の研究歴全体への位置づけと言語学・方言額等からの再検討 (2020)
  • Author(s): 桑本裕二
  • Journal Title: 公立鳥取環境大学紀要 Volume: 16
  • Open Access
• [Journal Article] 鳥取県倉吉方言におけるア段長音の派生と分布について (2018)
  • Author(s): 桑本裕二
  • Journal Title: 東北大学言語学論集 Volume: 27 Pages: 19-29
  • NAID: 120006957911
• [Journal Article] 周辺からコアへ：若者ことば・方言から言語をながめる (2017)
  • Author(s): 桑本裕二
  • Journal Title: 東北大学言語学論集 Volume: 26 Pages: 9-23
  • NAID: 40021409507
• [Presentation] 福本和夫稿『伯耆北條地方ノ訛言・方言・略語考』 (1942) における音韻記述について (2020)
  • Author(s): 桑本裕二
  • Organizer: PAIK（関西音韻論研究会）2020年2月例会
• [Presentation] 鳥取県倉吉方言における平板型アクセント語の音調配列について (2019)
  • Author(s): 桑本裕二
  • Organizer: PAIK（関西音韻論研究会）2019年5月例会
• [Presentation] 鳥取県中・東部方言の一つ上がりアクセントについて―平板語の場合― (2019)
  • Author(s): 桑本裕二
  • Organizer: PAIK（関西音韻論研究会）2019年10月例会
• [Presentation] 鳥取県中部および東部方言における平板型アクセントの音調配列の分布と変化 (2019)
  • Author(s): 桑本裕二
  • Organizer: 日本言語学会第159回大会
• [Presentation] 鳥取県倉吉方言におけるア段長音の派生について (2018)
  • Author(s): 桑本裕二
  • Organizer: 第18回音韻論フェスタ
• [Presentation] 鳥取県倉吉方言における中高型および尾高型アクセントの優勢について―文イントネーションとの関わりについて― (2017)
  • Author(s): 桑本裕二
  • Organizer: 関西音韻論研究会2017年4月例会
• [Presentation] 倉吉のイントネーションの妙―なにがうちらを安心させるか― (2017)
  • Author(s): 桑本裕二
  • Organizer: 倉吉ことばの会第2回講演会
• [Presentation] 周辺からコアへ：若者ことば・方言から言語をながめる (2017)
  • Author(s): 桑本裕二
  • Organizer: 滋賀大学経済学部講演会
  • Invited