Project/Area Number |
17K02827
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
English linguistics
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
高橋 眞理 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (20247779)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2018: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 動詞句省略 / 先行詞条件 / 先行詞に含まれる省略, ACD / 日本語 / 英語 / 後方照応 / 「そう」による動詞句の代用 / 自由動詞 / 生起メカニズム / 認可条件 |
Outline of Annual Research Achievements |
1英語動詞句省略(VPE)の先行詞条件決定の鍵の一つとなる「先行詞に含まれる省略(ACD)」構文に対応する3種類の日本語構文(各6文)の適格性の判断を5(適格)から1(不適格)までの5段階評価で問う調査を、2回のセッションに分けて実施した。使用構文[理論的予測値]と、各セッションの有効データ(S1=26, S2=36)の判定平均値(標準偏差)は(1)、結果の示唆は(2)~(3)の通りである。 (1)A[1]:主節VPが自由動詞(FV)を述語動詞(PV)とし、そのPVの目的語を修飾する関係節VPを「先行詞」として主節のVPEが生起している構文(例:健は、誠が受験したすべての大学をした。)S1: 2.91(1.23) 。B[5]:Aと同じだが、主節PVの目的語が主語より前方に「かき混ぜ」によって移動されている構文(例:誠が受験したすべての大学を、健もした。)S1: 2.79(.92), S2: 3.32(.81) 。C[1]:Bと同じだが、前方ではなく後方照応が起こっている構文(例;誠がしたすべての大学を、健も受験した。)S2: 2.74(.92)。 (2) S1では構文AとBを、昨年度の調査で使用した文を逆にして使用したが、両者への判定に有意差はなく、昨年度とは逆に、Aへの判定平均値がBへのそれより高い結果となった。これは、構文より使用文の違いが判定結果に大きな影響を与えていることを示す。 (3) S2のBとCについては、Bへの判定結果がCへのそれより有意に高かった(p=.002)。これは、後方照応に文法上あるいは文処理上の問題があることを示唆する。 2 英語のVPEおよび関連現象、特にHeim(1997)のACD構文分析とKennedy(2014)の修正案に対するJacobson(2019)の批判を検討し、動詞句が含む変項指標の一致を要件とする動詞句省略先行詞条件の定式化を試みた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍のため、本研究課題の研究計画の中核を成す、コンピューター実験室に被検者を集めて行う実験を実施することができなかった。 実施することができた小規模の調査は、各調査項目の試行数やfillerの数も少なく、各構文の適格性/容認度の判定に入り込むnoiseを十分に排除できたとは言えないが、構文ではなく使用文の違いが判定結果に予想以上に大きな影響を与えていること、また、英語と同様に日本語においても、後方照応に文法上あるいは文処理上の問題があることなど、今後の調査で留意すべき示唆を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
1 引き続き、英語の動詞句省略(VPE)と関連構文の新しい研究成果の整理、および諸理論の比較・分析を行う。 2 引き続き、英語VPEの生起メカニズムと認可条件諸提案の鍵となった構文に対応する日本語構文の整理とそれらの諸特性、意味解釈の可能性、および先行詞条件に関する分析を行う。 3 これまでの実験結果で予想外であった部分の原因分析を行う。また、これまでに調査することができなかったVPE関連構文に関する新しい実験をデザインし、実施する。
|