初級英語学習者の技能・知識の関係と発達:読みと語彙の諸側面を中心にして
Project/Area Number |
17K02920
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Foreign language education
|
Research Institution | Mukogawa Women's University (2018-2021) Kobe City College of Technology (2017) |
Principal Investigator |
今村 一博 武庫川女子大学, 教育学部, 教授 (70632826)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2018: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 読みの正確さ・速さ / 語彙知識の広さ・深さ・速さ / 視線解析 / 注視(fixation)時間 / 注視(fixation)回数 / 統語知識 / 相関 / 語彙の広さ・深さ・速さ / 読解ストラテジー / 半構造化面接 / 語彙性判断課題 / 情意 / 読み / 語彙 / 諸側面 / オンライン調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本語を母語とする初級英語学習者を対象に、英語の技能・知識の関係と発達について、読解と語彙の諸側面を中心に実証的研究を行い、教育的示唆を得ることを目的とする。先行研究では、読みと語彙の関係を調査したものもあるが、読みと語彙の多くの側面を対象とした実証的研究は少ない。これまでに、 ①英語の読み(速さ・正確さ)と語彙の諸側面(広さ・深さ・速さ)の関係を中心に多面的に調査し(意味のまとまりのある英文読解中の眼球運動に関する調査を含む)、②統語知識、リスニングに関する調査等も行い、可能な範囲で多面的なものとした。 その大量の各データの入力と必要な処理と分析を行ってきた。2021年度は、英文読解中の眼球運動を利用した調査に関して、学会発表、論文投稿(査読有で掲載)を行い、次のような成果を得た。 (1)中級学習者は初級学習者よりも、意味のまとまりのある英文を読解している際の注視(fixation)回数が有意に少なく、1 回当たりの平均注視時間が有意に短かった。そのため英文読解中の注視回数と 平均注視時間は,初級と中級の英語学習者を識別する指標となり得ると考えられる。(2)一方、英語の文章中から指定エリアを調査した結果、文章を読む時中級学習者は初級学習者と比べて、エリア内の各単語における初回注視時間と滞在時間(単語から出て戻ってきた時間を含む)に関して有意に短いが、滞在回数は異ならない結果になった。習熟度が初級から中級へ向上しても,単語の滞在回数,つまり各単語における視線の出入りは,有意に減少しないことが示唆された。(3)英語熟達度が初級から中級に向上すると,各単語内おける初回注視時間が有意に短くなることから、中級学習者において、読みの下位処理である単語認識の処理の効率化、自動化が進んでいること示唆された。 また次年度へ向けて、学会発表及び論文投稿の準備を行うことができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナの影響もあり、依然として教育において、また研究以外の業務等において多くの時間が費やされ、計画的に研究の時間を確保できず、順調に進んでいない時期もあった。しかし、英文読解中の眼球運動を利用した調査に関して、学会発表、論文投稿(査読有で掲載)を行い、後半から年度末にかけて、効率的に研究を行うことができた。さらに、最終的には次の学会発表準備、論文投稿準備を行うこともできたことから、全体としては内容的には一定の成果を得て、順調に進んだと言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度も新型コロナの影響が続き、教育や諸々の業務で研究に多くの時間を確保することが難しいことが予想されるので、集中して計画的に取り組む必要があると考える。学会発表を行い、それをもとに必要な改善を行い、その後、論文作成を行って投稿し、研究成果を公開していきたい。実施したテストの種類も多いので、限られた発表時間や、論文のスペースの中で、わかりやすく整理して分析結果を示し、考察も明晰なものにするよう配慮して進めたい。そのため、一部に新たな統計処理の方法を導入する必要がある。本研究は基礎的な調査も含まれるが、教育的示唆の得られる研究としたい。
|
Report
(5 results)
Research Products
(6 results)