ルクセンブルクにおける移民の子弟への識字教育支援 -社会経済的不平等解消のために
Project/Area Number |
17K03009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Foreign language education
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 敦 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 准教授 (00622482)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2018: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ルクセンブルク / 言語教育政策 / 言語政策 / 多言語社会 / 移民 / 言語権 / 識字教育 / 識字教育支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年に教育省より発表され、2018年に法制化された言語政策である「ルクセンブルク語振興戦略」を中心に、その議論と背景について調査・研究を行った。2013年に成立し今日まで続く民主党を中心とする政権は、それまで長期間継続した保守政権とは異なる自由主義的な政策を指向する。言語政策についても同様であり、学校の自由化を推進しつつ、ルクセンブルク語を第一言語とし、ドイツ語で識字を行った上でフランス語を身につけるという従来型のモデルに必ずしもこだわらない姿勢を見せている。現在のルクセンブルクは人口の半数近くが外国籍であるが、多様な言語的背景を持つ人々がいる現実に合わせた政策にしようとしているようにも見える。しかしこのような政権の方向性は必ずしも旧来からのルクセンブルク人から支持を得ているとは言いがたい。国家と固有の言語を強固に結びつけようとする、保守的な政策である「ルクセンブルク語振興戦略」は政権の方針に対する反発の結果として捉えることができる。本研究では外国籍住民への国政参政権付与が大差で否決された2015年の国民投票から、「ルクセンブルク語振興戦略」に至る政治的議論を追った。 さらに、「ルクセンブルク語振興戦略」と同時期の2017年、1~4歳児を対象としたルクセンブルク語とフランス語による早期複言語教育が開始されたが、2022年度はこの政策についても研究を行った(現在も継続中)。欧州の複言語主義政策の視点から、そしてルクセンブルク国内の言語的統合の点から、早期複言語教育政策は多角的に検証する必要がある。2022年秋よりプロジェクトベースで開始されたフランス語による識字教育とも絡めて今後検証を行う予定であるが、そのための基礎的な研究となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度からの新型コロナウイルス感染症の影響で長期にわたりフィールドワークができなかったため。また、研究の方法を修正せざるを得なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
学校現場や移民支援団体に対する現地での直接的な聞き取りなどは上記の理由で変更せざるをえなくなったが、文献およびリモートでの調査は続けている。2022年秋よりプロジェクトベースで開始されたフランス語による識字教育など、新しく含めなければならない要素も考慮に入れて研究を進める。2023年度はこれまでの研究のまとめとして、より発表に力を入れていく。
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Report
(6 results)
Research Products
(23 results)