Study on Religious Coexistence and Development of Canons concerning Dhimmi in the Middle East
Project/Area Number |
17K03121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
History of Asia and Africa
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 敬子 北海道大学, 文学研究科, 教授 (40221824)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | イスラーム社会 / 異教徒支配 / マイノリティ / 東方キリスト教徒 / イスラーム法 / 中東史 / 宗教政策 / 異文化共存 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度においては、まず研究目標①「ムスリム史料における庇護民規定の研究」に関して、平成29年度の作業を継続して、アラビア語によるイスラーム法学関連の文献史料及び研究書の収集を進め、順次分析とデータベース化を行った。30年度後期には 文献の整理とデータベース化を終了し、個々の史料の分析を進めたが、その中からエジプト・シリア・イラクで中心的なハナフィー派やシャーフィイ派の法学文献における庇護民規定の発展段階が明らかになり、マムルーク朝時代の集大成期に至る歴史的展開を明らかにすることができた。今後それを論文として纏めることが課題である。また、スペイン(アンダルス)においてはマーリク派の庇護民規定が8~9世紀以降後ウマイヤ朝の下で独自に発展していたことを解明することができた 研究目標②「キリスト教徒史料における庇護民規定の研究」に関しては写本の入手も含めて、史料の収集・分析を進めた。また、平成30年9月にイタリアに海外出張を行い、ヴァチカン図書館に所蔵されている東方キリスト教会及ムデハル・ モリスコ関連の史料収集を試みた。併せてヴェネツィアのドゥカーレ宮殿及び海洋史博物館を訪問し、史料収集と実地検分を行った。 研究目標③「十字軍国家のシリア統治政策の研究」については、刊本として発行されている聖墳墓教会の領地管理記録を載せたラテン語史料を入手できたので、その読解・分析を進めた。また、9月のイタリア調査に際して、十字軍の出港地であった南イタリアのバーリ・ブリンディシ等の都市を訪問し、史料に書かれていることの確認と実地検分を行った。イェルサレム王国の ムスリム統治政策に関しては、現存しないとされるアラビア語史料を、海外の史料調査においても入手できなかったため、それを引用しているアラビア語史料の収集・分析を進めた。 以上、平成30年度は文献史料の分析を中心に研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献研究においては、一定の成果を得ることができたが、海外における史料収集及び現地調査に関しては、研究代表者の体調不良のため、予定していた一部しか遂行することができなかった。そのため、平成30年度の目標として設定していた未所有の写本および文書史料の収集は、平成29年度に続いて未だ遅れた状況であると考えている。その 影響で、既に収集・検討を終えた史料との比較検討にまで至ることができず、平成30年度の研究で得ることのできた新たな知見は、当初の目標を下回った。また、研究目標①「ムスリム史料における庇護民規定の研究」について予定していた学会発表を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、平成29年度、30年度に引き続いてに生じた研究の遅れを遅れを取り戻すべく、海外における史料収集・文書調査に力を入れる予定である。平成30年度に遂行できなかったエジプト及びイスラエルへの海外出 張を通して、文献収集と現地調査を行うだけでなく、日程的に可能であれば平成30年度に遂行できなかったアンダルス(スペイン)における現地調査と文献収集 を行い、異教徒統治政策に関する新たな比較検討の対象の開拓を進めていく予定である。 平成29年度と30年度において、研究目標①「ムスリム史料における庇護民規定の研究」に関する文献研究はかなり進捗し、一定の成果を得たと考えている。研究目標③「十字軍国家のシリア統治政策の研究」についても聖墳墓教会の領地管理記録の読解・分析によって一定の成果を達成したと考える。それらを踏まえて平成31年度に力を入れたいのは、多地域間の比較研究が必要とされる研究目標②「キリス ト教徒史料における庇護民規定の研究」である。海外調査だけでなく、国内における文献収集に力を入れ、最終年度である平成32年度における比較研究の下地を整えたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)