脱植民地化時代における空間秩序の位相―実効性なき領域秩序の可能性―
Project/Area Number |
17K03391
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
International law
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
許 淑娟 立教大学, 法学部, 教授 (90533703)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2018: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2017: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 領域権原 / 領域法 / ポストコロニアル国際法 / 植民地主義 / ポストコロニアリズム / 海洋法 / 脱植民地化 / 脱植民地主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨今の国際情勢を踏まえて、また、本プロジェクトの終わり方も念頭に置き、二つの方向性で研究を推進した。第一に、諸判決及び諸文献の分析から、領域紛争における「書かれた法的権原」の意義を植民地化と脱植民地化の二重の文脈に照らして考察を行った。具体的には、リビア・チャド事件(1994年)におけるSenoussi Orderの行為、カメルーン・ナイジェリア事件(2002年)におけるナイジェリアの歴史的凝縮の議論、さらに、西サハラ意見、ペドラ・ブランカ事件やエリトリア・イエメン仲裁などにおいて、非ヨーロッパ主体による領域支配のあり方を分析しながらも、それを法的に評価することなく、過去における何らかの合意に依拠することによって、判断の正当性・正統性を確保する試みを分析した。第二に、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、実効性なき領域支配の可能性の限界事例の収集と、従来の領域法との接合を模索した。 本研究の究極的な目的は、脱植民地化における領域法の法的構造を説得的に提示することであり、その前提として非ヨーロッパにおける領域秩序を既存の領域法や海洋法によって適切に評価することができるのかを明らかにすることである。この前提を確認することを研究期間中に明らかにすることに照らせば、本年度の作業は、「主権の表示」アプローチとその適用に、植民地化の文脈のみならず、脱植民地化の影響があることを、国際判例から可視化したという重要な意義をもつ。さらに、実効性なき領域支配の主張を検討することによって、領域法秩序における実効性の内実を外側から確認することにもつながる。あらためて、領有意思や当事者合意の解釈的拡張の尊重という論点の再検討につながる。こうした可視化の作業は、近年のグローバルヒストリーの立場からの帝国主義の歴史の知見を得て、さらに進展させる必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間を延長したため、当初の予定とは大きく異なっているものの、国内で入手可能な文献を綿密に分析するという方向で順調に研究課題の目的を達成している。また、本年度は、同様の問題関心をもつ論考が内外で複数発表されたことから、その知見を取り入れることができた。しかしながら、実効性なき領域支配の可能性という本課題の根幹にかかわる部分での国際情勢のあり方を取り入れる必要があり、公表論文という形には至らなかった。最終年度に向けて、現在までの進捗状況を研究打ち合わせや、研究会開催、さらには活字として公表することによって、国内外でのピアレビューを通じて、さらに進展させる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であり、現在までの進捗状況を早急にピアレビューに供すべく活字として纏める最終的作業を行う。国内外での研究打ち合わせや研究会を通じて、議論の精緻化に努める。第一に、国際裁判の傾向として、確認してきた①書かれた権原における合意とはなにか。②領域主権における主観的要素の役割は何か。③主権と領域を繋ぐものとして、人的つながりや近接性というものの再浮上の三点を、歴史学的な知見に照らして、その積極的な意義を示したい。第二に、Post Colonial Effectivitesの意義の検討を追加的に行い、さらに、国際法および領域法の受容ならびにその置換の歴史学的な検討を再開し、その知見を判決分析に組み入れる作業を行い、研究成果のとりまとめとしたい。 第三に、実効性なき領域支配の主張の限界事例の収集を通じて、脱植民地化時代における「実効性」の内実を確認し、すみやかに論考として発表する。これら三点の研究を踏まえた、大きな思考枠組を提示する予定である。
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Report
(6 results)
Research Products
(11 results)
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[Book] Journee d’etudes de la SFDI :iles et droit international2020
Author(s)
Societe Francaise pour le Droit International, Jean-Louis iten, Niki Aloupi, Lucius Caflisch, Sookyeon Huh, Mathias Forteau, Ida Caracciolo, Pierre Bodeau-Livinec, Valerie Parisot, Frederique Coulee, Valere Nido, Hyun Jung Kim, Laphaele Rivier, Lucie Delabie, Sarah Cassella, Yaouba Cisse, Santiago Villalpando
Total Pages
286
Publisher
Pedone
ISBN
9782233009579
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