Project/Area Number |
17K05270
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Basic analysis
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Research Institution | Aoyama Gakuin University (2021-2023) Hitotsubashi University (2017-2020) |
Principal Investigator |
津田 照久 青山学院大学, 理工学部, 教授 (00452730)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2018: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | パンルヴェ方程式 / 無限可積分系 / 有理函数近似 / 離散力学系 / クラスター代数 / ワイル群 / タウ函数 / 超幾何函数 / 連分数 / 特殊函数 |
Outline of Annual Research Achievements |
この数年の間に明らかになって来た離散パンルヴェ方程式(とくにパンルヴェ方程式の q-差分類似),および,その対称性とクラスター代数との関係についての研究を令和5年度はおもに行った。研究代表者は,mutation combinatorics と呼ぶグラフの組み合わせ的な操作からワイル群の双有理的な実現を構成する統一的な方法を発見している(増田哲氏,大久保直人氏との共同研究)。鍵となるのは「サイクルグラフに付随する鏡映変換」という特別な形のクラスター変換である。成果の速報は,学術雑誌 RIMS 講究録から出版されており,その full paper にあたる論文も現在投稿・査読中である。またある種の高階 q-差分パンルヴェ方程式とそのワイル群対称性のクラスター 代数からの導出を与え,この成果も学術雑誌 RIMS Koukyuroku Bessatsu から出版されている。 上述のクラスター代数とグラフの組み合わせ的に導出される q-差分パンルヴェ方程式を含むより一般なワイル群の双有理変換について,付随する力学系の「ダルブー座標」は反対称な整数行列の標準化という古典的な結果を応用することで構成できることも示した。また,長い期間の懸案であったワイル群の双有理作用に対する「タウ函数形式」をある非正規クラスター代数を用いることで,自然に導出する方法,および,一般にサイクルグラフの組み合わせからルート系が現れることを適当な仮定の下で証明した(大久保直人氏,寺嶋郁二氏,増田哲氏,水野勇磨氏との共同研究)。これらは当該研究領域において,今後,基礎的かつ重要な成果になるものと認識しており,現在いくつかの論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で得られた結果については,既に上梓した論文も含めて複数の論文を執筆中であり,当該分野の専門家の間でも概ね好評である。上述したグラフの組み合わせ的な操作(mutation combinatorics)からのワイル群の双有理的な実現に関する増田哲氏,大久保直人氏との共同研究について,一編の欧文論文を執筆し,現在,投稿査読中である。また,続編にあたる論文では、タウ函数形式を非正規クラスター代数から導出する一般的な方法を与えており,その成果は現在論文を執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は現在までのところ,概ね順調に進行しているので,研究の方向性は維持したまま,継続していく。クラスター代数とグラフの組み合わせ的に導出される q-差分パンルヴェ方程式を含むより一般なワイル群の双有理変換に関して,「タウ函数」を完全に捉えることができたので,今後はその幾何学的な特徴付けの解明を目指すべきだろう。また従前,自励化された場合しか捉えられていない離散ソリトン方程式についても,非正規クラスター代数の枠組みを用いて一般の場合の由来を明らかにすることも興味ある課題である。
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