Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
金やプラチナのような鉄より重い元素(rプロセス元素)の起源、そして銀河形成過程を明らかにするために、銀河化学進化の計算を行った。主要なrプロセス元素(金やプラチナなど)は中性子星合体、軽いrプロセス元素(銀やパラジウムなど)の一部は超新星爆発が起源であると仮定した。現在の銀河系が様々な質量をもつ小銀河の合体により形成されたとする構造形成モデル(Ishimaru, Wanajo, Prantzos 2015)を基に、それぞれの小銀河で超新星や中性子星合体が予想される割合で発生するという確率論的モデルに拡張した。その結果、中性子星合体の発生頻度が低いために、最小質量の銀河では(個数で)その10%程度でのみrプロセス元素の影響が見られ、そのときのrプロセス元素の鉄に対する割合は極めて高くなることが明らかになった。そして、上記の論文で示唆されている通り小質量銀河では星形成率が低いと仮定すれば、超低金属星にrプロセス元素の過剰が見られることが説明できることが示された。さらに、観測で明らかにされている主要なrプロセス元素と軽いrプロセス元素の異なる傾向は、後者の一部が中性子星合体とは別の起源、例えば超新星爆発であるとすれば説明できることを示した。本年度、重力波とその電磁波対応天体の観測により中性子星合体がrプロセスの起源である可能性が指摘されている。本研究はそれとは独立に、さらに、銀河系形成期から現在に至るまで一貫して中性子星合体がrプロセス元素の主要な起源であることを示唆している。また、銀河系が矮小銀河のような小規模の銀河の合体によって形成されたという構造形成論を裏付けている。
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