『四親王家実録』を中心とした近世四親王家の生活環境に関する復元的研究

• Project/Area Number: 17K06761
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Allocation Type: Multi-year Fund
• Section: 一般
• Research Field: Architectural history/Design
• Research Institution: Kyoto University of the Arts
• Principal Investigator: 町田 香 京都芸術大学, その他の研究科(大学院), 准教授 (30411317)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2025-03-31
• Project Status: Granted (Fiscal Year 2023)
• Budget Amount: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000); Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000); Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000); Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000); Fiscal Year 2018: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000); Fiscal Year 2017: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
• Keywords: 庭園 / 建築 / 生活環境 / 公家 / 近世 / 四親王家 / 有栖川宮家 / 宮廷

Outline of Annual Research Achievements

本研究は『四親王家実録』（宮内庁書陵部蔵）を中心に、近世四親王家（伏見宮・桂宮・有栖川宮・閑院宮）の生活環境（建築・庭園とその利用の実態）に関する事跡を収集・整理・分析することによって、近世の宮家がどのような場で何を行っていたのかという「生活環境」の実態を復元的に考察・解明するものである。
令和5年（2023）度の調査は『四親王家実録』のうち、平成31年度（2019）～令和4年（2022）度調査で収集したデータを整理し、その中で未実見部分があった資料の追加調査を行うとともに、新型コロナの影響で滞っていた庭園分析の上で参考すべき全国の日本庭園の現地調査を行った。
「伏見宮・桂宮・有栖川宮・閑院宮」それぞれにおける収集したデータは膨大な量であり、それらを詳細確認しながら「生活環境」に関わる記述を抽出し年表を作成する作業を進めている。しかし、本研究に必要な「生活環境」に関する記述は煩雑を極めると同時に、年代が曖昧なものも多く、また「生活環境」を表す決定的な記述が多くはない傾向にあることが現在までの分析で認められている。特に、絵図などの図面関係はなかなか発見・収集が難しい状況にあり、文献から「生活環境」を明らかにする必要性が強まってきた。
しかし、調査中に近世では難しいが近代では「生活環境」に関する記述（幕末における煎茶に関わる記述など）が少なからず認められることから、近代以降の研究にも課題があるということが認められた。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和5年度は資料調査に加え新型コロナの影響で滞っていた庭園分析の上で参考すべき全国の日本庭園の現地調査を行った。この間に今まで収集したデータの整理をする予定であったが、現地調査に思いのほか時間を取られ、復職後も想定外に忙殺される状況になったっため若干の遅れが生じることとなった。

Strategy for Future Research Activity

令和6年度も研究期間の延期が認められたことから、最終年度に取りまとめを行い調整する予定である。

Research Products

• [Journal Article] 小石川後楽園 (2024)
  • Author(s): 町田 香
  • Journal Title: 庭NIWA Volume: 255 Pages: 68-81
• [Journal Article] 永遠の名庭園－国指定名勝・史跡 水前寺成趣園 (2023)
  • Author(s): 町田 香
  • Journal Title: 『庭NIWA』 Volume: 250 Pages: 92-105
• [Journal Article] 永遠の名庭園－特別名勝・特別史跡 旧浜離宮庭園(浜離宮恩賜庭園) (2022)
  • Author(s): 町田 香
  • Journal Title: 『庭NIWA』 Volume: 248 Pages: 74-83
• [Journal Article] 宮廷文サロンの活動と舞台－近世初期宮廷庭園の利用実態と空間構成－ (2022)
  • Author(s): 町田 香
  • Journal Title: 『近世庭園の研究－安土桃山・江戸時代－』独立行政法人 国立文化財機構 奈良文化財研究所 Volume: 研究論集19 Pages: 87-101
  • Open Access
• [Journal Article] 近代における皇族・華族の庭園－有栖川宮家と三井北家を中心に－ (2019)
  • Author(s): 町田 香
  • Journal Title: 庭園学講座ⅩⅩⅥ 天皇と近現代の庭園－記念物保護制度100年 Volume: 26 Pages: 58-72
• [Journal Article] 京都の宮廷の庭における近世から近代への変容 (2018)
  • Author(s): 町田香
  • Journal Title: 庭園学講座ⅩⅩⅤ 都の明治維新と生業の庭 Volume: 25 Pages: 14-20
• [Journal Article] 宮廷文化サロンの活動と舞台 (2018)
  • Author(s): 町田 香
  • Journal Title: 『回遊式庭園と庭園文化』奈良文化財研究所 Volume: 2018 Pages: 24-47
• [Presentation] Introduction to Japanese Traditional Gardens (2023)
  • Author(s): 町田 香
  • Organizer: ヘンリー・ジェイムス学会
  • Int'l Joint Research / Invited