脂肪細胞での統合的ストレス応答経路による肥満制御機構の解明
Project/Area Number |
17K09862
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Metabolomics
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三宅 雅人 徳島大学, 先端酵素学研究所(プロテオ), 助教 (30588976)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 脂肪 / 肥満 / 糖尿病 / 摂食 / 統合的ストレス応答 / 小胞体ストレス / 脂肪細胞 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞が様々なストレスに曝されたときにタンパク質翻訳の抑制を介してストレスに対応する統合的ストレス応答経路が種々の疾患に関与することが明らかとなってきている。本研究では、統合的ストレス応答経路の脂肪細胞における役割の解明と肥満や糖尿病との関わりについて明らかにすることを目的とする。 本年度はまず、予備検討で得られていた統合的ストレス応答を脂肪細胞で時期特異的に活性化できるトランスジェニックマウスを用いた結果について確認を行った。具体的にはこのトランスジェニックマウスを用いて高脂肪食給餌とともに統合的ストレス応答を活性化させると野生型マウスと比べて体重増加が抑制されてインスリン抵抗性が改善していることを確認した。また、トランスジェニックマウスではエネルギー代謝の改善が認められた。次に、高脂肪食によってトランスジェニックマウスを肥満させた後に統合的ストレス応答を活性化させたところ、脂肪重量が減少した。白色脂肪組織において代謝関連遺伝子や炎症関連遺伝子を、褐色脂肪組織において熱産生関連遺伝子の発現について解析をしたが、これらに顕著な改善は認められなかった。また、脂肪細胞培養株においても統合的ストレス応答は脂肪蓄積に影響しなかった。体重増加が抑制される原因について様々な表現型を解析したところ、脂肪細胞で統合的ストレス応答を活性化したマウスは野生型と比べて摂食量が低下していることを見いだした。 以上のことから脂肪細胞での統合的ストレス応答の活性化は脂肪細胞の代謝に大きな影響を与えないこと、摂食を抑制することが示された。今後は脂肪細胞での統合的ストレス応答の活性化がどのようにして摂食を調節するかについて解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始前の予備検討の結果を確実に再現が出来たとともに、予定通りその詳細な表現型解析を滞りなく行うことが出来た。また、肥満治療の標的として意義が高いと考えられる肥満後のマウスにおける統合的ストレス応答の活性化について検討を行い、改善作用が確認できた。分子メカニズムについての解析において当初想定していた脂肪細胞での代謝調節に対する影響を解析したが変化が認められなかったが、摂食を調節しているという予想外の知見を得ることが出来た。すでにこの分子メカニズムを解明するための実験を進めており、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初想定していた脂肪組織における統合的ストレス応答の代謝調節における役割について大きな変化が認められず、摂食という想定外の表現型を得た。そのため来年度以降は培養細胞や薬剤での解析ではなく、脂肪組織と摂食中枢を繋ぐ臓器連関のメカニズムに焦点を当てて研究を進める。具体的には統合的ストレス応答活性化マウスの脂肪組織における網羅的遺伝子発現解析を通して、候補となる摂食制御因子の同定を試みる。さらにその発現制御メカニズムについての解析を行う。可能であれば統合的ストレス応答活性化マウスと制御因子の交配を行い個体での統合的ストレス応答と摂食調節の重要性について明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)
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[Journal Article] The Role of Heparin Cofactor Ⅱ in the Regulation of Insulin Sensitivity and Maintenance of Glucose Homeostasis in Humans and Mice2017
Author(s)
Kurahashi K, Inoue S, Yoshida S, Ikeda Y, Morimoto K, Uemoto R, Ishikawa K, Kondo T, Yuasa T, Endo I, Miyake M, Oyadomari S, Matsumoto T, Abe M, Sakaue H, Aihara KI.
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Journal Title
J Atheroscler Thromb
Volume: 24
Issue: 12
Pages: 1215-1230
DOI
NAID
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Peer Reviewed / Open Access
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