Project/Area Number |
17K13356
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Fine art history
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Research Institution | Onomichi City University |
Principal Investigator |
西嶋 亜美 尾道市立大学, 芸術文化学部, 准教授 (50713781)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2018: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2017: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | フランス近代美術史 / 美術批評 / ドラクロワ / 絵画と文学 / 反復 / 宗教画 / フランス近代美術 / 西洋美術史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、19世紀フランスの画家ウジェーヌ・ドラクロワの作品中、同じテーマや同構図を繰り返し制作する「反復」の全容と意義を、制作過程と受容の両面から解き明かすことを目指すものである。 2023年度は(1) 作品研究面で成果を公表できる形にまとめることと、(2) 受容の側面や理論的な方向での「反復」に関して考察をまとめる段階に入ること、が大きな課題となっていた。そのうち(1)で主に成果を得た。すなわち、懸案のドラクロワ作《墓のキリスト》(ボストン美術館)に関して、論文として発表し、さらにまた、「反復」に関わる作品研究のうち、ドラクロワの文学主題作品群に絞って研究成果を書籍として出版するため、改稿と助成金獲得のための手続きを開始した。後者については最初の発表から変更や新たな知見の加わった論考が多いため、修正を行いつつ、夏までにおおむね書き上げたのち、さらに修正を進めている。その際に「反復」の意義に関わる最終章を書き下ろすにあたっては、芸術人類学の方法論にヒント求め、基礎文献に遡って検討を重ねた。この書籍に関しては、さらなる改稿を進めつつ、助成金獲得の試みを続けている。 (2)に関しては、まだ作業段階にあるが、『日記』の翻訳作業を少しずつ進めるとともに、夏に実地での資料渉猟・作品調査のため、短期ではあるがパリでの現地調査を実施することも出来たため、昨年度より順調である。 2023年度は、アルバイトを雇い、今までの調査資料整理やデータの図表化も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の実績の概要で触れたように、大きな目的2点のうち、(1) 作品研究の公表、に関しては宗教主題作品《墓のキリスト》についての論文を公刊するとともに、文学主題作品の著書の作業を進められており、(2) 受容や理論面の「反復」に関しての考察についても、作業進捗があることから、おおむね順調と考えている。 とりわけ、現地調査とアルバイト雇用により、それまでの膠着を脱することが出来たように思われる。ただ、現実的な理由から現地調査はごく短期間に限られ、さらに出版助成が未獲得である点、理論研究の論文が出せていない点なども課題として残したため、次年度に本研究課題を繰り越すことになった。
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Strategy for Future Research Activity |
現状の課題は、(1)文学主題作品に関する書籍の出版助成が未獲得である点と、(2)理論研究を論文等で公刊するに至っていない点である。(1)に関しては、新たな知見を取り入れつつ改稿を進めることで魅力的な書籍のテキストを用意し、何らかの形で助成金を獲得してなるべく早期の書籍出版を目指す。また(2)理論研究のうち受容に関しては、おおむね考察の材料が出来てきたと考えられるので、紀要等から成果を公表していく。ドラクロワの『日記』に関しても、引き続き翻訳を行い、発表に向けて考察を進めたい。
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