Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2017: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度には、既に樹立済の骨髄形成異常性貧血;congenital dyserythropoietic anemia (CDA)患者由来iPS細胞より胚様態形成法と液体培養の組み合わせにより分化誘導したCD235a陽性赤芽球(CDA-erythroid cell)のマイクロアレイ解析を実施した。その結果、正常対照iPS細胞より分化誘導した赤芽球に対して変動が認められた遺伝子群より、グロビンスイッチングの制御因子、細胞周期制御因子群、細胞膜の恒常性維持に関わる分子といったCDAの病態を説明しうる複数の遺伝子発現異常を見出した.また、先行研究で疾患責任遺伝子として同定された変異型KLF1をtet-onシステムにより発現させたKLF1発現調節iPS細胞より同様に分化誘導した赤芽球のリアルタイムPCR解析を行ったところ、細胞周期制御因子群の発現異常が認められた。このことから、近年マウス赤芽球の成熟(脱核)過程においてKLF1による細胞周期の制御が必須の役割を果たすことが報告されていること(Gnanapragasam MN et al., Blood, 2016)と一致して、CDA患者骨髄における赤芽球系細胞の細胞死にはKLF1による細胞周期制御機構の破たんが関連している可能性が示唆された。 一方、正常対照iPS細胞より分化誘導した赤芽球において成体型グロビンの発現量を質量分析装置をもちいて測定したところ、胎児型グロビンに対するモル比では1/20程度と発現量が低く、グロビンスイッチングの制御機構のモデルとしてはヒトiPS細胞からの分化誘導系の更なる改良が必要であると考えられた。
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