Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
ZNF750は表皮分化を制御している遺伝子である。近年、次世代シークエンサーを用いた食道扁平上皮癌の全ゲノム解析において、ZNF750の遺伝子変異が報告されている。本研究では食道扁平上皮癌におけるZNF750の発現解析を行い臨床病理学的意義、臨床予後、化学放射線療法抵抗性との関連性を検討すると共に、機能解析を行った。術前未治療の食道扁平上皮癌に対する手術を施行した124例に対してZNF750発現を免疫染色で評価し、臨床病理学的特徴と臨床予後との関連性を検討した。また術前に化学放射線療法を施行された87例を対象とし、生検検体におけるZNF750発現を免疫染色で評価し、手術検体における化学放射線療法の病理組織学的治療効果と比較検討を行った。更に食道扁平上皮癌細胞株においてsiRNAを用いZNF750をノックダウンし、増殖能、遊走能、浸潤能、アポトーシスにおける影響を検討した。ZNF750低発現はリンパ節転移陽性と有意に関連していた(P=0.028)。またZNF750低発現は予後不良と有意に関連しており(P=0.044)、多変量解析でもZNF750低発現は独立した予後予測因子であった(P=0.020)。ZNF750の発現と化学放射線療法に対する反応性には有意な相関関係を認めた(P = 0.016)。単変量解析でもZNF750の中等度以上の発現で化学放射線療法反応性が有意に良好であり(P = 0.006)、多変量解析においても、ZNF750の中等度以上の発現は独立した予測因子であった(P = 0.033)。癌細胞株においてZNF750のノックダウンにより増殖能、遊走能、浸潤能の増加、アポトーシスの減少を認めた。ZNF750は腫瘍抑制因子としての働きを有し、ZNF750低発現はリンパ節転移陽性、予後不良、化学放射線療法抵抗性と関連していることが示された。
All 2018 2017
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 1 results) Presentation (5 results)
Oncology
Volume: 93 Issue: 3 Pages: 197-203
10.1159/000476068
Volume: 94 Issue: 3 Pages: 142-148
10.1159/000484932