Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
マウスの皮下にヒト瘢痕組織を埋入する動物瘢痕モデルを作成することを目標とした。瘢痕組織へクロストリジウムヒストリチクム菌由来コラゲナーゼを注入し て瘢痕への治療的効果を評価した。評価方法は組織重量、組織学的評価、コラーゲン定量を行なった。 1)ヒト瘢痕組織埋入マウスモデルの作成とコラゲナーゼ注入:ヒト肥厚性瘢痕組織またはケロイド瘢痕組織を、直径5mm、厚さ3mmの円盤状に切り出し、ヌード マウス背部に、正中切開から両側背部の皮下組織に埋入した。2週間後、国内で製造販売承認が得られているクロストリジウムヒストリチクム菌由来コラゲナー ゼ(ザイヤフレックス:旭化成ファーマ株式会社)を、マウス皮下に移植した瘢痕組織に直接注入した。対側にはコントロールとしてコラゲナーゼと同量の生食 を注入した。さらに4週間後、移植組織と直上のマウス皮膚を切除し、組織重量および組織学的評価とタンパク量の評価を行なった。 2)組織学的評価:切除した組織をパラフィンに包埋して薄切し、ヘマトキシリン・エオジン染色で形態・構造を観察した。また、コラーゲンを染色してコラー ゲン繊維の配列を観察し、CD31免疫染色で血管のサイズと数を定量的に評価した。 3)タンパク量の評価:採取した組織をホモジナイズし、コラーゲン定量キットを用いてヒドロキシプロリン量を定量した。また、ホモジナイズ後にウェスタン ブロット解析を行い、1・3・4型コラーゲン抗体を用いて定量的に発現を評価した。