Project/Area Number |
17K18128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Art at large
Aesthetics and studies on art
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Research Institution | Tokyo College of Music |
Principal Investigator |
福田 裕美 東京音楽大学, 音楽学部, 准教授 (50633624)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 民俗芸能 / 劇場ホール / アートマネジメント / 文化政策 / 文化財政策 / 伝承 / 創造 / 芸術政策・産業 / 音楽学・音楽史 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の民俗芸能が演じられる場として、土地の行事等での伝承のほかに、土地を離れて多様な目的をもって企画される民俗芸能公演があるが、その公演の企画運営に係る方法論は確立されるに至っていない。一方で文化財政策との関わりの中で土地で伝承される民俗芸能の保護から、特に舞台化され再創造された民俗芸能公演が切り離されてきたことは日本独自の展開である。本研究では、民俗芸能公演に関わる各団体の現地調査とそれに基づく分析を主軸としながら、あわせてその土地での伝承に係る現地調査とこれまでの民俗芸能公演の系譜に係る歴史調査を行うことで、伝承と創造との関係性の中に民俗芸能公演の企画運営の方法論を提示し、その先に人材の育成も視野に入れた「民俗芸能公演のアートマネジメント論の基礎」を構築することを目的とする。2023年度は下記について進めた。 ・「各団体の民俗芸能公演の実績の整理と直近の公演の内容、運営状況の調査」については、2022年度に引き続き、電話やメール、zoomを使った調査を中心に進めたが、一部現地に出向いて調査を行なった。 ・「昭和40年代・50年代の民俗芸能公演の資料整理と関係者へのインタビュー」について、第一に関係者へのインタビューを実施した。第二に新たに資料を追加収集し、これまでに収集した資料を含めて整理を順次行い、あわせて情報の発信について関係者と話し合い検討した。第三に、2024年度に新たな資料を受け入れて整理するための準備を行った。 なお、民俗芸能のアートマネジメント論構築をめぐり、現時点で得られた重要な視座として「民俗芸能のもつ社会包摂機能」を見出し、日本民俗音楽学会の大会にて「民俗芸能の伝承と社会包摂:政策における位置付けの変遷から」を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、2020年度以降、大幅な計画変更を余儀なくされている。 「各団体の民俗芸能公演の実績の整理と直近の公演の内容、運営状況の調査」の調査対象である民俗芸能団体等(a)(b)は2022年度後半から少しずつ活動を再開しているが、高齢化が進む小さな集落等のために感染予防の観点から外部からのアクセスが難しい団体も未だに残っており、且つ新型コロナウイルス感染拡大中に活動を中止したままのところも多く、現地に行っての調査を縮小せざるを得なかった。 調査対象である文化施設(c)は、2020年度の民俗芸能公演以外のあらゆる公演が中止・延期となりその対応に追われていた状況から好転したものの、本研究への対応が難しいところも未だにある。 「昭和40 年代・50 年代の民俗芸能公演の資料整理と関係者へのインタビュー」の調査先については、電話によるインタビューは実施できたものの歴史的な資料の所有者の多くが高齢化し、新型コロナウイルス感染拡大中に調査できないままご逝去される例もあり、以上により、調査全体が大幅に遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
前掲のとおり、大幅に調査先が減少し計画変更を余儀なくされてきたが、一方で、2019年度より統括責任者として推進している、テーマに共通する点がある文化庁の補助事業(文化庁令和元年度~令和3年度大学における文化芸術推進事業「日本とアジアの伝統音楽・芸能のためのアートマネジメント人材育成」、および文化庁令和4年度大学における文化芸術推進事業「伝承を担うフィールドからまなび、ともにつくり、地域へつなぐアートマネジメント人材育成」において、コロナによる制約を受けながらも人材育成プログラムを実施する中で、本研究課題に関連した成果や、必要なネットワークを多方面において構築することができた。さらに、本研究課題において必要な視点が多々得られ、2023年度の計画変更に加えて、下記のとおり変更する。 2020年度から2023年度に調査の大半が実施できなかったため、2024年度は、2020年度から2023年度に実施予定だった「各団体の民俗芸能公演の実績の整理と直近の公演の内容、運営状況の調査」について、a)公演団体とb)運営団体とc)文化施設の調査として、書面による悉皆的な調査をし、そのうえで2024年度中に現地調査が可能な先を絞り込み調査を実施する。 「昭和40年代・50年代の民俗芸能公演の資料整理と関係者へのインタビュー」の調査については、2024年度は収集した資料整理とデータベースの構築を引き続き行うとともに分析する。これらに基づき、民俗芸能公演の系譜について現地調査からあわせて分類・考察し、民俗芸能公演と現地での伝承との関係性についても考察を行い、これらの視点の中に、民俗芸能公演の運営の方法論について検討・提案する。さらに本研究の先にある「多様な民俗芸能公演に対応できる人材の育成」の検討のための具体的視座を提示することまでを、本研究の範囲とする。
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